なぜアカツキでグロースハックができるのか
——立山さんは、なぜアカツキでグロースハックについてのノウハウを身に付けることができたのでしょうか?
わたしはアカツキの持っている哲学や企業文化のお陰だと思っています。アカツキの文化を一言で表現すると、“自立”と“つながり”。「あなたの業務と責任はここまでですよ」とタスクを区切られることはなく、価値があると思ったことに対して、個人にとことんチャレンジさせてくれる文化があります。「機会は与えられるものではなく、自ら作り出すもの」という哲学のもと、個人が自立して働くことができています。さらに、その価値をチームで最大化させるために周囲のスタッフも協力し合うという環境も整っています。
先ほど、お話した“Who”を明確化にしてから“What”を考えるということは、マーケティングのフレームワークとしては一般的です。ただし、実際には体験しないとできるようにはならないと思います。グロースハックも同様で、チャレンジできる文化と、それを支える周囲のサポートがなければ難しいのではないでしょうか。
——アカツキならではの“グロースハック”はありますか?
グロースハックにおいて「感情」を重要視していることでしょうか。数値を見るだけでは、ユーザーの生の声が分からなくなることがあります。一般的に、グロースハックの鍵はデータ分析にあると言われていますが、あくまでデータをつくっているのは生身の人間で、感情の動きがあるからデータが動くのです。その感情を大事にしようというのが、アカツキのグロースハックです。
加えて、私たち自身が楽しく仕事ができているかということも大切だと思います。作り手側のワクワクや、大事にしているメッセージをプロダクトと一緒に届ける。グロースハックとは別のように見えますが、実は大事なポイントですね。
——みなさん、楽しく働いているのですね。
そうですね、仲がいいですよ。社内のユニークな仕組みとしては、朝礼時に社員全員で4、5人のチームに分かれて、24時間以内にあった“良かったこと”と“新しいこと”を報告し合うようにしています。私たちは「Good&New」と呼んでいるのですが、一日をいい気分で始められますし、いつも一緒にいる社員が何に喜ぶのかが分かります。そのことで、今度は自分が喜ぶことをしてあげようかなと思ったり、ポジティブな感情が朝から湧きます。
あとは、毎月、全社員でパーティーを行ったり、四半期ごとに熱海や山梨などに合宿に行ったりもしています。
——最後に、これからのマーケティングで重要なことを教えてください。
これまでのスマートフォンのゲーム業界は、“マーケティング=広告”だったと思います。広告に関しては広告代理店が情報を持っているので、マーケティングを代理店に丸投げしていた担当者もいたかと思います。これはブレーンが外部にいたということです。ただ、私も在籍していたのでよく分かるのですが、広告代理店は細かいユーザーデータをもっていないので、コンテンツとの連携は正直なところ難しい。マーケティングを本当に行いたければ、企業内でコンテンツそのものの改善に携わることが必要だと思います。
そういう意味では、今後は何をマーケティングとして定義していくのかを考える時期に来ているのではないでしょうか。より“高い価値”を求められるこの時代で、“マーケティング=広告”では、もう生き残れません。ペイドメディアは当たり前のこと、オウンドメディアやアーンドメディアの運用、そしてメディアだけでなく、市場リサーチやデータを元にした “マーケットイン” なコンテンツの創造まで、幅広いマーケティングが求められるはずです。そして、より良いマーケティングによってもたされる収益は、企業の経営の根幹としての役割となるのではないでしょうか。
ただし、それも1週間後には変わるかもしれません。市場の変化に合わせるだけでなく、自ら市場をつくっていくための新しい価値創造を行っていきたいと思っています。
——ありがとうございました。
アカツキでは、一緒にグロースハックを実践する仲間を募集しています。興味のある方はこちらをご覧ください。