ジオターゲティングでPRを進化させる
――この「ジオターゲティングプロジェクト」では、「AIBeacon」をどれだけ店舗などに置いてもらえるかが、重要になってくるように思います。設置する店舗側にはどのようなメリットがありますか?
販売促進活動のみならず、顧客や従業員動線の最適化や、サイネージなどの情報表示媒体のリーチを最適化するためにも使えることがメリットです。「AIBeacon」には専用の管理画面があり、「リアルタイムでいま店内に何人いる」「店にアプローチ可能な周辺に何人いる」「初めて来た人かリピーターか」といった基本的な統計情報がリアルタイムで見られるようになっているほか、複数のAIBeaconを戦術的に配置することにより、店内や特定エリアのヒートマップ(接触数および滞在時間)の出力も可能となっています。従来であれば、高コストかつ限定的であった動態調査や解析が、AIBeaconの設置により、より手軽に、より分かりやすく、定量的かつ定性的に実施できるようになります。
他にも、自社のアプリに「AIBeacon」専用のSDKを組み込んでもらえれば、店舗に設置した「AIBeacon」が取得する位置情報や接触情報に基づいて、来店時や来店後など、セグメントを切ったプッシュ通知もできるようになります。
いまは関西圏でのデータを蓄積している状況ですが、大手全国チェーン店からも複数お話をいただいていて、これからさらに設置店が増えていきます。飲食店全体のDMPを作ろうといった構想も出ているところです。
――実際に位置情報をPRで活用するときに、親和性が高そうな業界はどこですか?
ニーズがあるなと感じているのは不動産業界です。位置情報とDMPで集積した他のいろいろなデータを掛け合わせることで、年収1000万円以上でこの地域に住んでいる人だけにコンテンツを配信するということができます。
他には、新卒採用などの求人業界にも使えます。たとえば、早慶上智に通っている人だけにアプローチしたい企業が、大学周辺で得た位置情報をもとにPR動画を配信するということもできますね。
さらに、日本国内だけでなくインバウンドの需要もあると考えています。アジアにこの「AIBeacon」を配る計画もあり、中国から成田に来た人たちだけに中国語の情報を当てていく、ということもできるようになります。位置情報を組み合わせることで、いろいろな可能性が広がってくると考えています。
――最後に、今後の展望を教えてください。
我々の事業の骨幹にはPRがあるものの、コミュニケーションのプラットフォーム会社として、手法にこだわらずにいたいと思っています。すでに海外のエージェンシーではPRと広告の垣根がなくなってきており、今後日本でもこの流れが強くなっていくでしょう。
PRも単にメディアに露出させるだけでなく、ターゲットにどのぐらい接触させられたのか、という効率を求める時代に入っています。ジオターゲティングなどのテクノロジーを活かしながら、最もお客様のパフォーマンスを上げられる方法を模索していきたいと思っています。
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