【前回のコラム】6限目「先生!芸術大卒の強みはなんですか?」「芸大卒は就活に有利ですか?」「社会はクリエイターを必要としますか?」はこちら
- どうすればアイデアが企画書になるんですか?
- メディアや代理店にはどんな人が就職できますか?
- メディアや代理店には「怖い」人が多いですか?
- 先生も提案前に焦ることとかありますか?
- メディアの人は「せっかち」な人が多いですか?
東北芸術工科大学の企画構想学科で教鞭を執るようになって、早くも半年以上が経過した。初年からゼミ生(片岡ゼミ)を受け持つことができたことは非常に光栄だった。初年度なので片岡ゼミは現在3年生の6人(一期生)のみ。
昔と違って、スマホやネットで軽く検索すれば、SNSやインタビュー記事などから、これまで行ってきた仕事やなどは簡単に調べることはできるだろう。とはいえ、どんなゼミ生が集まるのか興味津々だったが、集まった6名の学生は、予想どおり(これは「良い」意味で)とても個性の強く面白い学生たちだ。
最近、ゼミでは、外部団体や企業の方々に提案する機会を数多くいただいている。こうした機会に恵まれて本当にありがたい。ゼミ生たちもこんなに多くの機会に恵まれるとは思っていなかっただろう。今回は、現在進行中の「山形県司法書士会」の案件をご紹介したい(山形県司法書士会から今回の紹介にあたって、特別に許可をいただいた)。
先生!どうすればアイデアが企画書になるんですか?
山形県司法書士会からの以下のような課題をいただいた。
「あまり一般的には知られていない司法書士のことを、山形県内の特に若い人たちに知ってもらいたい」
プロジェクトを担当するゼミ生が、私とともに司法書士会を訪問させていただき、何度か提案前にお話を伺った。
メディアの人(例えば取材をする側の人)も、代理店の人(広報や宣伝活動を行う人)も、まず相手(取材相手やクライアント)の話をしっかり聞くことから仕事は始まる。
取材対象(クライアント)が(本当は)何を考えているのか/何が(本当の)目的なのか?
インタビューやヒアリングの後、自分たちで議論を重ね、最初の提案の準備に入る。最初のヒアリングの際に聞き込み方が浅く、相手の意図を汲みきれないことも実際には少なからずある。表面的な言葉だけを理解してしまい、相手の「本当の気持ち」を理解していない企画を提案してしまうことは、学生に限らずプロの世界でもある。ヒアリング(オリエンテーション)の場は非常に重要だ。
後日、最終制作物に関するアイデアをご提案する。これが「制作物(コンテンツ)」の場合もあれば「イベントプラン」のこともある。もっと川上の「戦略案(プランニング)」が最終提案物の時もある。