“デジタル領域の総合広告代理店”として存在感を示せるか——。電通は11日、それぞれデジタル広告会社で子会社の、電通iX(アイエックス)とアイソバー・ジャパンを2016年1月1日付で合併し、「電通アイソバー」に改称すると発表した。新会社のトップには、電通iXの得丸英俊社長が就く。合併後の社員数は320人。電通iXに60人ほど加わる格好。
広告主側に立つデジタルエージェンシーとしてのポジションを明確にする。インターネット上の広告枠や表現の多様化が進み、マスメディア同様、多岐にわたる広告枠の買い付けや運用、広告制作を担う“代理店”が求められるようになったため。
欧米でも近年、「Digital Agency of Record(デジタルの指名代理店)」を選ぶケースが目立つ。直近では5日、WPP傘下のグループMが、グーグルのデジタル指名代理店の座を獲得した。日本では“メディアレップ”が広告主側に立つ場合もあるが、メディアレップは本来、メディア企業の販売代行者として指名され、メディア側の利益向上を図る存在とされる。
電通イージス・ジャパンは、電通による買収前からある旧イージス・メディア・ジャパンを改称した企業。電通iXは10月、電通デジタル・ホールディングスから同社の子会社に移行していた。
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