過去最多の応募数、東村アキコらに文化庁メディア芸術祭大賞

アート部門大賞
『50 . Shades of Grey』 CHUNG Waiching Bryan
ⓒ2015 Bryan Wai-ching CHUNG

アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰する文化庁メディア芸術祭の本年度受賞作品が発表された。

本年度は世界87の国と地域から過去最多の4417作品の応募があり、厳正なる審査の結果、下記の作品(各部門大賞、優秀賞、新人賞)、およびメディア芸術分野に貢献のあった人を選出する功労賞が決定した。

アート部門大賞はCHUNG Waiching Bryanのプログラミング言語を使用した、コンセプチュアルであると同時に視覚的な作品『50 . Shades of Grey』。作者が過去30年間に学んださまざまなプログラミングの 言語やソフトウェアを用いて、50段階の灰色のグラデーションでできたまったく同じ画像を制作した。

エンターテインメント部門大賞は岸野雄一の人形劇+演劇+アニメーション+演奏といった複数の表現で構成される子どものための音楽劇『正しい数の数え方』、フランス、パリのデジタル・ アートセンター「ラ・ゲーテ・リリック」の委嘱作品として上演されたもの。古来から存在する人形劇というアナログな手法と、インタラクティブなテクノロジーが随所で融合し、物語は展開していく。

アニメーション部門大賞はBoris LABBEの圧倒的な緻密さと極端な構図で展開される短編アニメーション作品『Rhizome』。仮想のスケール空間のなかで、生物とも 無機物ともつかない抽象的な形態がつねに変 化し、個々の動きが全体の動きへと連なっていく。

エンターテインメント部門大賞
『正しい数の数え方』 岸野雄一
ⓒ2015 Out One Disc

アニメーション部門大賞
『Rhizome』 Boris LABBE
ⓒSacrebleu Productions

マンガ部門大賞は少女マンガ家を夢見ていた頃から、夢を叶えてマンガ家になるまでとその後の半生を題材にした東村アキコの自伝的作品『かくかくしかじか』。「マンガ大賞2015」受賞などすでに評価を受けているが、完結巻が審査委員一同の胸を打ち、大賞贈賞に至ったという。

マンガ部門大賞
『かくかくしかじか』 東村 アキコ
ⓒAkiko HIGASHIMURA/SHUEISHA

同賞は、2016年2月2日(火)に贈呈式を実施。また2月3日~14日に、東京・六本木の国立新美術館を中心に、受賞作品等を紹介する受賞作品展を開催する。

次ページ 「受賞作品」へ続く

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ