『宣伝会議』1月号「マーケティング・テクノロジーの未来」の読みどころを解説

本日、12月1日に発売になった『宣伝会議』2016年1月号の巻頭特集は、「マーケティング・テクノロジーの未来」。マーケティングがテクノロジーによってどのように変わり、進化していくのか。いまや企業活動の全体像をも変えようとしているテクノロジーのインパクト、それによってもたらされる近未来のマーケティングが、キーパーソンたちによって語られています。本記事では、その内容についてご紹介します。

「マーケティング・テクノロジーの未来」特集が組まれた背景

生活のあらゆるシーンにおいてデジタルシフトが進んだことで、マーケティングを取り巻く情報環境が劇的に変化しています。これまで、デジタルテクノロジーの活用はアド、主にオンライン広告の領域では先行してきましたが、いままさにマーケティング活動全般での活用が必要とされています。

『宣伝会議』本誌でも、デジタル時代のマーケティングのあり方について数多くの特集を組んできましたが、いま求められているのは、テクノロジー活用によるマーケティング活動全般の効率化であり、最適化です。そうした進化の方向性は想像しづらく、またテクノロジーとの融合によってどんな可能性が切り拓かれるかについても理解しづらいかもしれません。

今回は、“マーケティング×テクノロジー”の本質を捉え、実践に生かしてもらうべく「マーケティング・テクノロジーの未来」の特集を組みました。

現場のマーケターに求められるアップデートとは

特集の冒頭で、ディレクタス 代表取締役の岡本泰治氏が「最大の課題は、マーケティングの重要性に対する経営層の認識」と指摘し、企業内部からも「マーケティングのデジタルシフト以前に、そもそもマーケティングの重要性が企業内で正しく認識されていない」といった声が聞かれるように、日本企業が抱えるマーケティングの課題は、根源的には経営課題と捉えられます。

そうした組織としての大局的な課題を踏まえつつ、では日々現場で奮闘しているマーケターには、どのような変革が迫られているのでしょうか。

テクノロジーベンチャー企業のCEOによる座談会「テクノロジー時代に必要なマーケターの条件」では、マーケターの仕事は人工知能に代替される可能性が高く、まずはその危機感を持ち、新たな時代の役割を考えることが必要だと語られています。さらに議論が深まると、ダーウィンが進化論で語ったとされる「強い者、賢い者が生き残るのではない。変化できる者が生き残るのだ」という言葉が持ち出され、これからの時代を生きるマーケターには、その変化を見通す先見性や俯瞰性を持つことの重要性が指摘されました。

IoTなどのテクノロジーがもたらすインパクト

特集では、企業のマーケター10人に対し、「マーケティング×テクノロジー」をテーマに取材を実施。

「(必要なのは)マーケターというソフトの性能向上。SEMにおけるテクノロジーの進化は先行したが、その分SEMを担当するマーケターのクリエイティビティは低下しているのが現状である。テクノロジーではないが、マーケターのソフト力向上に『デザイン思考』は効果的だと期待している」
「パーチェス・ファネルの最適化といった確率論のマーケティングから、購買という事実に基づく無駄のないピンポイント・マーケティングへ大きな流れとしてはシフトする 」
「プロダクトに、サービスを組み合わせことによる新価値の創出が今後の競争優位性を生み出すカギになっていくため、マーケターはこれまで以上にサービスマーケティングのスキルを高めていかなければならない」など、マーケター自身のアップデートを求める声が多く挙がっています。

「最新テクノロジーとマーケティングへの応用可能性」では、いま話題のテクノロジーとして「IoT」「人工知能」「フィンテック」をピックアップ。

有識者の方々に、たとえば、IoTをどうマーケティングに応用していくべきかについて「スマート化される商品がユーザーに新たな体験をもたらすことではなく、そこで取得されるビッグデータから真のユーザーインサイトを探り当て、それを商品開発をはじめとするイノベーションの源泉にしていくこと」といった本質を捉えた解説をしていただいています。

その他にも、テクノロジーを活用したマーケティングを実践している先進事例として、データドリブンカルチャーを醸成に取り組む資生堂ジャパンと、これまでブラックボックスとなっていたテレビCMの効果検証を実践するオリックス生命保険の担当者へのインタビュー記事を掲載。

さらに「マーケティングオートメーションは導入によって何が自動化されるのか」「広告会社はテクノロジーにどう向き合うべきか」など、マーケティング×テクノロジーの未来について、示唆に富む内容になっています。

ぜひテクノロジーによってもたらされる近未来のマーケティングを覗いてみてください。

『宣伝会議』2016年1月号

『宣伝会議』2016年1月号

12月1日発売 定価1300円

巻頭特集 マーケティング・テクノロジーの未来

いまや企業活動の全体像をも変えようとしているテクノロジーのインパクト、それによってもたらされる近未来のマーケティングについて、業界のキーパーソンたちが語ります。

  • マーケターに聞く テクノロジー活用の期待と可能性
  • 資生堂が挑む データドリブンカルチャーの醸成
  • 最新テクノロジーとマーケティングへの応用可能性【IoT】【人工知能】【フィンテック】
  • マーケティングオートメーションは何を自動化するのか
  • ブラックボックスだったテレビCMの効果をテクノロジーで徹底検証

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