――ネット用語で言えば、情弱ってやつですかね?
N:いや、僕は逆の印象がありますね。もはやこれだけ、学校の連中がテレビを観ていないとなると、逆に一周回って「テレビを観ている奴」のほうが尖っているやつのような気もしてきた。
周りで、最近ラジオを聴いている奴が増えてきてるんです。radikoっていうアプリがありますよね。あれでスマホで聴いてるんですけど、やっぱり面白いし、一度ラジオを聴き始めた奴は、ずっとハマって聴いているかも。宇多丸さんの「ウィークエンド・シャッフル」(ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル/TBSラジオ)とか。
テレビもそのイメージに近くなってきている気がします。観ている奴は、観ている、みたいな。
――「お前、ラジオって知らないの?無料でほぼ24時間、タレントのトークや音楽が聴けるんだぜ?アプリもあるぞ」みたいな。それ知って「マジか、すげえ!」っていう(笑)。もう、ラジオもテレビも、アプリの一つみたいな感覚なのか・・・。
しかし、このNさんの話はとても興味深いですね。つまり、「テレビを観ること」が、学生の間では、もはやサブカルになりつつある、っていうことですね。サブカルって昔はある意味、テレビのカウンターとして機能していた言葉だったんですけど、今や、テレビを観るというスタイル自体が、斬新なものになっている、と。
F:でも何だかんだ、テレビの番組自体はムチャクチャ完成度高いことは感じますよ。テロップの入れ方とか、編集の仕方とか、とことん考えられているし、自分が実際ネットで観ている動画は、結局はテレビ番組だったりしますから。
K:ネットのニュースで話題になっていることも、結局テレビがネタ元だったりするもんね。ネットニュースで知って、それで後から動画を探す、みたいな。
I:そう、ただテレビ番組をネットにあげてもすぐ消されちゃうから、最近、消されにくくするために、わざとトリッキーな別のタイトルにしてテレビ番組がネットに上がっているんですよね。それがイライラするんですよー。探すのにもテクニックが必要で、そして、お目当てのテレビ番組を探した奴は、URLをドヤ顔でLINEで送ってきて「凄いだろ!」って。
――はい、でも、そもそもテレビ番組を勝手にネットにあげていること自体がダメですよ。そもそも、CMというシステムがあるから、クオリティ高い番組がタダで観れるわけですからね。
と、まあここまで皆さんのご意見を伺ってきて、ざっくりまとめると、皆、テレビ番組というコンテンツの面白さは認めている。しかし、テレビ放送というシステムは受け入れ難い、というかもう、無視しているという状態ですね。
最後に、皆さん、今後テレビ放送がどう変わったらテレビを観るでしょうかね?
K:好きな時間に、自分の好きな番組を、観れるようにしてほしい。
I:自分の好きな番組だけが、放送されるようにしてほしい。
F:わかる。でも、それってもうHDDプレイヤーとかネットを使って、皆が普通に、今もやっていることだよね。
N:そう。だから、実際、もう皆がやっちゃっていることを、ちゃんとテレビ局が正式な手続きでやってくれたら、僕らも公明正大にテレビを楽しめるし、全員ハッピーになれるってことじゃないかなって思いますね。
「radiko」に関連する記事はこちら