もはや1人広告代理店!? クリエイターもうならせるキングコング西野さんの企画力(ゲスト:西野亮廣さん)【前編】

本家ゴーストバスターズからもお墨付き!
ハロウィンプロジェクト

中村:最近で言うと、渋谷ハロウィンゴーストバスターズプロジェクトというものをやってらっしゃいます。これはどういうものですか?

西野:去年渋谷がハロウィンの翌日にゴミで超汚くなって、それが世界中でニュースになったんです。偉いおじさんはゴミ出すなと言うんですけど、出すなと言ったところで出ちゃうじゃないですか。これはイジメの構図と似ているなと思って。イジメをするな、イジメはよくないと言っても、結局なくならない。じゃあ、イジメって何だと考えたときに、いじめられっ子側から考えたらイジメってひどいものですけど、いじめっ子側から見たら、何の工夫もない娯楽だと思ったんですよ。

中村:なるほど。

西野:お金もかからないし、全然面白くもない。でも娯楽だと。娯楽を人から取り上げることはできません。親にテレビゲームやるなって言われても、親が寝たらこっそりやるでしょう? でも、取り上げ方が1つだけあって、いじめっ子のところに行って、イジメはよくないぞと言った上で、ロックンロールというものがあるんだとギターを渡す。めっちゃ面白いよ、次の文化祭出てみなよと。その気にさせられれば、文化祭に出なければアカンから練習で忙しくなる。文化祭で演奏して気持ちいい思いしたら、次の大きい舞台へ挑戦したくなる。娯楽の潰し方って、もう少し楽しい娯楽を与えてあげることなんだと。

権八:素晴らしい。

西野:イジメよりも面白い娯楽を教えてあげて、ちょっとしんどい思いをするかもしれないけど、これやったらもっと面白いものが待ってるよと教えてあげたらいいんだなと。

中村:ハロウィンで出るゴミも同様に。

西野:ゴミを出すなと言うんじゃなくて、それを娯楽で解決したらいいと。ゴミがないと成立しない、盛り上がらないイベントを翌日につくって、娯楽化しちゃおうと。ハロウィンはお化けじゃないですか。お化けが出すゴミはお化けのカスですよね。それを集めると言ったらゴーストバスターズしかないと思って。11月1日、ハロウィンの翌朝6時にゴーストバスターズの仮装をしてハチ公前に集合して。ハロウィンの日はみんなが仮装しているから目立てないから。

澤本:なるほど、翌日だからね。

西野:しかもゴーストバスターズって都合のいいことに掃除機みたいの背負ってるんですね。だからダイソンの掃除機を背負って、仮装して、ゴミ拾いを遊びでやっちゃおうぜと。去年、ツイッターでつぶやいたんです。これがゴロゴロ転がって。10月24日から東京デザインウィークがスタートするんですけど、ちょうどハロウィンの時期に、外苑前に12万人ぐらい人が来るんですよ。その東京デザインウィークで僕は理事をやっているんです。

だったらこの権力を使わんと。理事会で、渋谷で集めたゴミを会場に持ってきてでっかいゴミのオブジェをつくっていいかと言ったら、「ぜひ」と協力してくれることになって。次に渋谷区からもお話がきて、協力してくれることになったんですよ。ハロウィンは土曜日で、翌日11月1日は日曜日だからゴミの回収がなくて、区がゴミのやり場に困っていたと。そのときにゴミを集めるイベントをやるから願ったり叶ったりで。今日ちょうどこの後、区長に会います。

権八:長谷部健さんと? このヨレヨレの、下着みたいなシャツで(笑)?

西野:はい。まず、僕はハチ公にゴーストバスターズの格好をさせてくれと言おうと思って。10月の途中から、これは何だ?って2週間ぐらい思わせておいたら、それだけで宣伝になる。そうしたら、運よく本家のゴーストバスターズから話が来てですね。

一同:えー!?

澤本:つまり、アメリカから?

西野:そうです。ゴーストバスターズが今年30周年なんですって。来年、新作が出るから盛り上げていきたいので、音楽やロゴも使っていいと。だから11月1日はゴミ拾いをやっちゃおうと思って。

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