実録・山形の大学生とテレビの関係「女子のパワーの源は女性アイドル」「アニメはBS11かニコ動」「親が録画した番組を仕送り」

親が録画した番組を「仕送り」してくれるらしい

私:ところで、テレビだと寝転がって視れるじゃないですか。ネットで動画を視る時って、どうやって視るのですか?寝っ転がってノートパソコンで無線LANで視る?スマホの小さいモニタで、アニメとか視るの?

中川くん:そうですね。ただ、視たいものがない、というときはボケーっとテレビを視流してる時があります。布団とかで寝転んでるときはスマホがメインで、机とかに座ってるときはPCで…というように場所によりけりですかね。机に向かって動画を視るときは、YouTubeとかの場合はわりかしラフな気持ちで視流したり、聞き流す程度です。BD(ブルーレイ)のようなものだと真剣に視ていることが比較的多いです。

私:机に向かってPCで動画を視る時というのは、普通に考えると「真剣に動画を視る」というシチュエーションがあるということ?

佐々木さん:ノートパソコンかスマホで寝転がって視ることもよくあります!バイトがないときは、テレビを流し視したりしますが、だいたいバイトに行っているので、テレビは視ないという感じですかね…私もPCの前に座って視るときもありますが、あまり真剣に!という感じではないですね

私:「人気番組」で話題だから「視る」ではなく、「自分の好みかどうか」で番組を選択してる感じですかね。テレビを視る時の番組の選び方がネット動画の検索とかなり似てるような気がします。

佐々木さん:そうですね!!自分の好みですね!!!

中川くん:たまに友達とか親から録画されたのが送られてくるのでそういうものはじっくり視る系です

私:意味がわかりません ^^; 友だちからは分かるのですが、何で親が録画したテレビ番組を送ってくるの?これ視て勉強しろ?これ面白いから視たら?って感じ

中川くん:勉強しろ!ですね

私: NHK特集とか?

中川くん:BSジャパンの経済系のものです。こないだは『ガイアの夜明け』(テレビ東京系)でした。

私:「良質なコンテンツ」であれば、親なり友人なりからレコメンドされたり、ソーシャル上でスクリーニングされたり、自分で検索したりした結果、情報は入手できるので、テレビであれネットであれ、自分が欲しい情報に接する機会自体はあるということかな。少なくともテレビ番組を視るために自分が「時間を合わせる」という習慣はない感じだね。

「いま必要としていない情報」を受け取るべきか否か

テレビを視過ぎると「バカ」になるといって、私は昔、母親によく叱られたが、もしかしたら、「自分の興味のない情報でも一応は知っておく」という意味では、テレビを視ることにも「意義」はあったのかもしれない(もちろん、テレビの情報を鵜呑みにするか、批判的に視るかの違いはあるが)。

ネットやSNSなど多様なコンタクトポイントから情報を収集する今の学生にとっては、例えば、「NHKの朝の連ドラ」「リクルート事件」「田中角栄」・・・これらは必ずしも「旬」な話題ではなく、知らなければ知らないでもいい情報(別に困らない情報)なのだろう。その点はよく理解できる。

私との「スレ違い」の原因は「知らなくても済む(構わない)情報」「別にいま必要ではない情報」「ネットで調べれば調べた時にすぐ分かるような情報」を、あえて今「知識(あるいは教養・雑学)として知っておく必要」があるのかないのかという点の考え方の違いなのかもしれない。

自分が最初に感じた「驚き」の理由が、まだ完全ではないが、自分なりに少し分かってきたような気がする。

これからの「テレビ」というメディアにどのような価値があるのか、これまでにどういった功罪があったのかは別として、仮に「テレビにはあって、ネットにはあまりない役割」があるとするならば、そのひとつとして、必ずしも自分が今「欲していない(必要としない)情報」にも触れておく機会を与えてくれることではないだろうか?

「先生!テレビは家にあった方がいいですか?」「テレビを視過ぎるのと、ネットにハマるのと、どっちが頭悪くなりますか?」という学生からの素朴な質問が、学生は「どういう情報が欲しいのか?」「どういう情報には接しておくべきなのか?」というちょっと深い話になってしまった。

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片岡英彦(東京片岡英彦事務所 代表/東北芸術工科大学 企画構想学科 准教授・広報部長)
片岡英彦(東京片岡英彦事務所 代表/東北芸術工科大学 企画構想学科 准教授・広報部長)

1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。
報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。企業のマーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。同年フランス・パリに本部を持つ国際NGO「世界の医療団」の広報責任者に。
2014年より「東京ウーマン」「プロフェッショナル談」編集長。Adobe(アドビ システムズ株式会社)の学生向けSNS施策の立案、日本テレビグループのLIFE VIDEO社の広報プロデューサー、iPhone5(au)戦略PRプロデューサー等を務める。2015年東北芸術工科大学デザイン工学科企画構想学科 准教授/広報部長

片岡英彦(東京片岡英彦事務所 代表/東北芸術工科大学 企画構想学科 准教授・広報部長)

1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。
報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。企業のマーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。同年フランス・パリに本部を持つ国際NGO「世界の医療団」の広報責任者に。
2014年より「東京ウーマン」「プロフェッショナル談」編集長。Adobe(アドビ システムズ株式会社)の学生向けSNS施策の立案、日本テレビグループのLIFE VIDEO社の広報プロデューサー、iPhone5(au)戦略PRプロデューサー等を務める。2015年東北芸術工科大学デザイン工学科企画構想学科 准教授/広報部長

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