高まるデータ活用の重要性 必要なのは組織・テクノロジー・人
IMJが主催するカンファレンス「I・CON」は今回で4回目の開催。過去最大規模、延べ580社970名の申し込みの中、各種プログラムが行われた。
冒頭にIMJ 代表取締役CEOの竹内真二氏が登壇し、IMJの現状紹介とともに“企業がいまデジタルマーケティングについてどう向き合っているか”を説明した。
企業のデジタルマーケティング部門へのアンケートでは、54%がデジタルマーケティングの重要性が増していると答え、中でも戦略策定に最も課題を感じているという結果であった。
「デジタルマーケティングは年を追うごとに高度になっている。現状では個々人のスキルアップよりも組織間の連携で対応しているものの、その効果は一部にとどまる」と言及し、「我々は、デジタルマーケティング組織に必要なクリエイティブ、データ、マーケティングテクノロジーの3つを組み合わせて企業の課題解決のサポートをしていきたい」と結んだ。
続いて、取締役COOの加藤圭介氏が登壇。ビッグデータ活用の重要性が高まっているものの、充分に活用できている企業が少ないと指摘。その原因は組織・テクノロジー・人だという。
「データを活用しようにも、複数部署にデータが散在しているため、デジタルマーケティングを推進していくための体制をつくる必要がある。また、進化し続ける各種マーケティングツールを使いこなし、データを活用できるスキルを持った人間を育てなければならない。企業がこれらの課題を解決するサポートを行っていく」と述べた。
デジタルシフトの中で感じたビジネスの変化と手ごたえ
パネルディスカッションでは、“魅力ある顧客体験を提供できる企業だけが生き残る”というテーマで、全日空の西村 健氏、資生堂ジャパンの笹間靖彦氏、キヤノンマーケティングジャパンの平林泰直氏がパネリストとして登壇。モデレーターをIMJのCMO 江端浩人氏が務めた。各企業の最新事例を交えつつ、「顧客接点の重要性とデジタルの役割・位置付け」「社内風土のつくり方」などについて話し合った。
江端氏は冒頭、ワールドマーケティングサミット2014と2015を引き合いに、海外から見た日本の位置づけを「エレクトロニクスで世界をリードしていた日本だが、新しい技術の登場によって戦略の見直しを迫られている。デジタル技術はビジネスの牽引となることもあるが、時には既存ビジネスを破壊することもある。ただ、もはや企業はデジタル化をする・しないを選択する状況ではなく、デジタル化しなければ生き残れない」と指摘した。
顧客接点におけるデジタルの役割・重要性について、西村氏は「我々は、空港・機内での接客以外は、ほぼ全てにおいてデジタルでの顧客接点がある。それは例えば、顧客が自身で撮影した写真をSNSにアップするなど、我々のプロモーションではないことも含まれる。実際に、それらがプロモーションにつながることもある」と述べた。
笹間氏は「デジタルはマーケティングツールのひとつ。それより、24時間の中で、どれだけ我々のための時間を持ってもらえるかが課題。デジタルツールの活用で、よりリアルタイムな対応をしていきたい」と展望を語った。
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