続くビッグデータの活用やその成果については、三者ともその重要性について触れた後、「化粧品業界も、購買率の変化を捉えながら最適なタイミングで商品を提示するといった工夫が必要。今はトライアルを重ねている状況」(笹間氏)、「特に顧客ターゲティングの検証においてビッグデータを活用している。また常に売上の数字とマーケティング活動における数字をつなげて見ることでデータにリアリティが出てくる」(平林氏)と話した。
人材育成や社内風土構築については各社とも課題があると前置きした後、顧客視点で物事を考えられるかどうかが重要だと指摘した。
「高いホスピタリティを維持するためにも『お客さまはどう思うのか』という“立ち返る場所”があることが大切。全てを社内で行うのは難しいが、PDCAでいうところのプランとチェックは企業側が主導する。そのうえでパートナー企業と連携して行うと良い」(西村氏)、「いままでの業務にデジタルによって新しい付加価値が提供できるかの見極めが大切で、それについての教育は社内で行っている。」(平林氏)と述べた。
最後に江端氏が、社内で専門の人だけが長く携わってしまうと、体制が変わったり人がいなくなったりした時の対応が難しい、と指摘。「そのためにも、デジタルマーケティングについては外部企業とパートナーシップを組み、企業の戦略をお互い共有しながらPDCAを回せる体制をつくれると良い」と語った。
パートナーシップ強化の意義と目指す未来像
データドリブンセッション1では「デジタルという文脈における“マーケティング”の役割」として、アドビシステムズの上原正太郎氏が登壇。自社のデジタル成熟度を捉えたロードマップを策定し、全体最適を図るマーケティング業務の必要性を語った。
もう一つのセッションでは、リクルートジョブズの板澤一樹氏が、「DMPのCRM活用によるデータドリブンマーケティング」について語った。
また、カスタマーエクスペリエンスセッション1では「Salesforce Marketing Cloudによるキャンペーンマネジメント最新事例」として、セールスフォース・ドットコムの笹 俊文氏、オットージャパンの長島正城氏が登壇し、同社の取り組みとこれまでの成果を紹介した。
もう一つのセッションでは、AKQAのダン・イナモト氏が「デジタル時代のクリエイティビティ」として、人が創り上げるクリエイティブの重要性について指摘した。
IMJは今回のI・CONの中で、「自社の持つ知見によって、デジタル化につまずく企業の課題を解決する」という立ち位置を明確にした。そのために、アドビ システムズ、セールスフォース・ドットコム両社とのパートナーシップを強化。それぞれの強みを活かして、企業の経営課題に即したデジタルシフトを一層推進していく考えだ。
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