目標は「打倒! ウォルト・ディズニー」
澤本:西野さんが直感的にしていることって広告だよね。
中村:それを言語化しないでやっているんだと思うんですけど、最後に聞きたいのはどういう心持ちでやっているのかなと。業界の人間として嫉妬するぐらいですよ。
澤本:こういうアイデアを出されたら悔しいもん。
中村:さっきの箱根駅伝のママチャリの話だって悔しいですし。ソリューションだと。
権八:おこがましいようだけど、みんなライバルみたいな目で見ているからね。
澤本:最初はゲストだったけど、今はどちらかというと潰してやりたい(笑)。
中村:この出る杭は潰さねばみたいな(笑)。
西野:勘弁してください(笑)。
中村:西野さんの視点ってどういうことなんでしょうね? わからないでやっているようで、計算もしているようでいて。
西野:僕は絵本を3冊出していて、1、2冊目はつくるだけでいいやと思って、売ることを誰かにお願いしていました。出版社や吉本にお願いしていたけど、つくるだけつくって、売ることを人に任せて売れなかったりしたら僕は文句を言うわけじゃないですか。これがまず嫌だと。
中村:つくるだけでは嫌だと。
西野:つくるだけつくって売るのを委託するのは育児放棄みたいな感じがして。産むだけ産んで、育てるのは任せます、みたいな。それだけはしたくない、ちゃんと責任を取りたいと思ったのが考えるようになったきっかけですね。
中村:なるほど。
西野:入口はそうだったんですが、今やってることはだいたい飲んでる席のシャレです。もっと世の中のものは面白いほうがいいし、明るくしたいと思って。明るくできるものは片っ端から明るくしていくという。最終的には、ディズニーを倒すと。
権八:倒すの意味がわからないけど(笑)。
西野:悔しくないですか? 女の子とディズニーランドに行くじゃないですか。女の子がキャーと楽しそうにしていて、「あぁ、ディズニーランドに連れてきてよかったな」と思うんですけど、次の瞬間、ちょっと待てよと。今、僕の好きな女の子を楽しませているのは僕じゃなくてウォルト・ディズニーだと思って。
中村:まぁ、そうですよね(笑)。
西野:あのおっさんがこの子のことを好きでたまらなかったらまだいいですよ。でも、あのおっさんはこの子のことすら知らないじゃないですか。俺はこの子に“ほの字”になってワーッとやっているのに、おっさんはどこか別のところを向いてるわけじゃないですか。これがむかついて来てですね。
中村:ウォルト・ディズニーがその子を好きになったら奪われるかもしれないと。
西野:そうですよね! いま銅像になってますけど、あれ動きだしたら僕やばいですよね。この嫉妬をなくすには勝つしかないと。
権八:でも、当面日本国内でベンチマークしているのはショッピングモールのイオンなんでしたっけ? 街をつくっているようなもんだし、イオンはすごいよね。
西野:街をつくりたいんですよ。
権八:そういうこともネットでどんどんつぶやくと、「この土地どうぞ」と連絡が来るとか。
西野:言われるんですよ。ツイッターで「土地ください、お金払わないけどくれ」とつぶやいたら、鹿児島のおばあちゃんがうちの山だったらいいですよと。同じように「街をつくりたい」とシャレで言っていたら、それこそ去年、伊藤忠さんから下の広場があるんですけど、と。
澤本:青山のね。
西野:青山のアートスクエア、あそこ一帯使ってくださいと。1カ月間、今年の夏に借りられたんですよ。だから言ってみるもんだなと。嫌われてでもいいから、最近そっちだと思って。結局、自分のことを好きな人と嫌いな人がいて、たとえば、CDを買ってくれる人って、自分のことを好きな人じゃないですか。好きな人の数しか換算されないなと思ったんです。
澤本:そうですよね。
西野:嫌いな人が10億人いてと、10億人って数は数えられないから、ゼロだなと思って。好きな人の数しか数えられない。ほとんどの人が10人中9人に好かれたいと思っているかもしれないけど、僕は10人に1人でもいい。その1人に圧倒的に好かれて、分母をでかくすればいいと思って。
中村:今日は途中でいろいろいい言葉が出ましたね。嫌いな奴は気にしない、とりあえず言ってみるもんだ・・・など、含蓄のある言葉を経て、イオンだと。
西野:イオン、SEKAI NO OWARI、ウォルト・ディズニー。
権八:セカオワが突然出てきた(笑)。
西野:ファンタジーをちゃんとやっているから、セカオワが好きなんですよ。
権八:なるほど、ファンタジーで被ってると。
西野:はい、ライバルですね。
中村:はい、ということで、本日のゲストはキングコングの西野亮廣さんでした!みなさんの質問やお便り、何でも構いませんのでドシドシくださいませ。メールアドレスはsuguowa@tfm.co.jp。また、「すぐおわ」Facebookページにコメントを書いていただいたものもお便りとみなして、どんどん読んでいきます!
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構成・文 廣田喜昭