電通は4日、フィリピンの独立系広告会社アスパック・クリエイティブ・コミュニケーションズの株式70%を、海外本社電通イージス・ネットワークを通じて取得したと発表した。今後、完全子会社化する予定だが、傘下に加わった後も経営の独立性を保つ。
アスパックは1975年設立で、現地では老舗。創業者の息子ミゲル・C・ラモス氏は、会長を務めたまま、電通イージス・フィリピン支社のCEO(最高経営責任者)に就任する。電通グループとは2012年から協業関係にあった。本田技研工業やロッテの現地法人を顧客企業に持つ。
電通イージス傘下のカラの推計では、2015年のフィリピンの広告市場は前年比10.2%増と、アジア太平洋地域の同比4.1%増よりも高い成長率を見込む。昨年の経済成長率は前年比6.1%増で、主な東南アジア諸国中でも上位だった。産業は、農業からサービス業へ比重が移っている。コールセンターなどBPO(間接業務委託)産業の発展が要因だという。
メディアではテレビが圧倒的に強いが、近年ではソーシャルメディア人気も手伝ってオンライン広告の成長が著しい。インドの調査会社ケン・リサーチの推計では、インターネット人口比は2008年の15%から、13年に45%近くにまで上昇した。ネット利用者の増加に伴い、オンライン広告市場も09~13年の年平均成長率43.4%で推移した。
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