【前回記事】「支援者の獲得につなげるコンテンツマーケティングの極意」はこちら
NPOをはじめとする非営利組織の最大の課題、マーケティング・コミュニケーションについて3人のプロたちがさまざまな手法を指南する本コラム。第6回は、シャンティ国際ボランティア会で広報を担う鎌倉幸子氏が、NPOならではのSNS活用のカギについて紹介します。
ソーシャルメディアの価値は「無料」なことではない
FacebookやTwitterを活用した情報発信がNPOでも積極的に行われるようになりました。特に広報に予算が割けない団体は「無料」で使えるソーシャルメディア(以下、SNS)を重宝しているようです。でも、情報発信をした後も反応がないと、虚しさを感じる広報担当もいるのではないでしょうか。「無料だから仕方ない」と我慢してはいけません。
その前にSNSとは何かを考えてみましょう。本質を知れば、使い方・発信の仕方がわかってきます。
広報の原則「ツーウェーコミュニケーションを確立する」ことができるか
SNSはインターネット上に広がる社会的会話です。WikipediaによるとSNSとは「誰もが参加できる広範的な情報発信技術を用いて、社会的相互性を通じて広がっていくように設計されたメディアである。双方向のコミュニケーションができることが特長」とあります。
私も2008年に初めてTwitterを始めた時、最初のつぶやきは緊張しました。つぶやいたら、世界中から反応があったらどうしようと妄想をしていました。そして記念すべきつぶやき「こんにちは」を書き込み、ツイートしました。しかし結果は待てど暮らせど反応がなく、切なくなり数日間放置してしまいました。
広報には4つの原則があります。その一つが「ツーウェーコミュニケーションを確立する」ことです。ツーウェーコミュニケーションを確立するため「双方向のコミュニケーションができることが特長」のSNSというツールは最適なものです。
そのためにも「思わず話しかけたくなる」「会話の輪に入りたくなる」つぶやきをする必要があるのです。具体的には、「疑問形にする」「ツッコミどころ満載にする」「役に立つ情報を伝える」ことを心がけるといいでしょう。
次ページ 「「あなたの過去を引き取ります」がバズを起した」へ続く
マーケティング コミュニケーション実践論
■井出留美
office 3.11 代表取締役
青年海外協力隊時代に手書きで配信した「パル通信」、1305号配信した「広報室ニュースレター」など情報発信力が強み。NPOを様々な賞へ導いた実績や企業・NPOの広報室長などの経験を持つ。わかりやすい講演が好評、全国からの依頼は330回。外資系企業管理職から震災を機に退職、起業。メディア出演170回。博士(栄養学)。東京大学農学系(農学部・農学生命科学研究科)広報室会議オブザーバー。
■長浜洋二
PubliCo 代表取締役CEO
かわさき市民しきん評議員/シャンティ国際ボランティア会戦略アドバイザー/NPO法人CRファクトリー コミュニティ・マネジメント・ラボフェロー
1969年山口県生まれ。米国ピッツバーグ大学公共政策大学院(公共経営学修士号)卒。NTT、マツダ、富士通でマーケティング業務に携わる一方、米国の非営利シンクタンクにて個人情報保護に関する法制度の調査・研究、ファンドレイジング、ロビイングなどの経験を持つ。著書に『NPOのためのマーケティング講座』。
■鎌倉幸子
(シャンティ国際ボランティア会 広報課長補佐/認定ファンドレイザー)
青森県弘前市生まれ。アメリカ・ヴァーモント州にあるSchool for International Trainingで異文化経営学の修士号を取得。1999年、シャンティ国際ボランティア会にカンボジア事務所図書館事業課コーディネーターとして現地赴任。2011年に同団体の広報課に異動。広報の仕事と兼務しながら東日本大震災後、岩手県での移動図書館プロジェクトの立ち上げを行なう。著書に『走れ!移動図書館』(ちくまプリマー新書)。
■井出留美
office 3.11 代表取締役
青年海外協力隊時代に手書きで配信した「パル通信」、1305号配信した「広報室ニュースレター」など情報発信力が強み。NPOを様々な賞へ導いた実績や企業・NPOの広報室長などの経験を持つ。わかりやすい講演が好評、全国からの依頼は330回。外資系企業管理職から震災を機に退職、起業。メディア出演170回。博士(栄養学)。東京大学農学系(農学部・農学生命科学研究科)広報室会議オブザーバー。
■長浜洋二
PubliCo 代表取締役CEO
かわさき市民しきん評議員/シャンティ国際ボランティア会戦略アドバイザー/NPO法人CRファクトリー コミュニティ・マネジメント・ラボフェロー
1969年山口県生まれ。米国ピッツバーグ大学公共政策大学院(公共経営学修士号)卒。NTT、マツダ、富士通でマーケティング業務に携わる一方、米国の非営利シンクタンクにて個人情報保護に関する法制度の調査・研究、ファンドレイジング、ロビイングなどの経験を持つ。著書に『NPOのためのマーケティング講座』。
■鎌倉幸子
(シャンティ国際ボランティア会 広報課長補佐/認定ファンドレイザー)
青森県弘前市生まれ。アメリカ・ヴァーモント州にあるSchool for International Trainingで異文化経営学の修士号を取得。1999年、シャンティ国際ボランティア会にカンボジア事務所図書館事業課コーディネーターとして現地赴任。2011年に同団体の広報課に異動。広報の仕事と兼務しながら東日本大震災後、岩手県での移動図書館プロジェクトの立ち上げを行なう。著書に『走れ!移動図書館』(ちくまプリマー新書)。
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