テレビCMの好感度トップを決める「第24回ブランド・オブ・ザ・イヤー」(主催=CM総合研究所)の発表と贈賞式が10日、東京都内で開かれ、au(KDDI)のテレビCM「三太郎」シリーズが好感度1位を獲得した。2位はソフトバンクの「白戸家」シリーズ、3位はライザップ(健康コーポレーション)の「つぎつぎと! イキイキと!」篇などだった。
「三太郎」シリーズは2015年1月に開始。広告会社は電通、制作会社はAOI Pro.。桃太郎(松田翔太)、浦島太郎(桐谷健太)、金太郎(濱田岳)の“三太郎”を主要キャラクターとして、10月までに55パターンを放送した。かぐや姫(有村架純)や乙姫(菜々緒)、鬼(菅田将暉)など新キャラを加え、視聴者を飽きさせないコミカルなストーリー展開が、年間を通じて高評価を呼んだ。
好感度は、2014年11月から15年10月までに在京キー5局でオンエアされた1977社7591ブランド(銘柄)のCMを対象に、1都6県在住の男女3000人のモニター調査から算出した。
田中孝司社長は、「ソフトバンクが8年連続で(好感度)1位だったので、トップ獲得は狙っていた。好感度1位というのは広告戦略の裏の目標。3年がかりで達成でき、嬉しく思っている」と明かした。
「(三太郎シリーズは)絵コンテを見て自分自身笑い、それでヒットを確信した。auの広告戦略は、笑いとシンプルさ。CMではほとんど商品説明をせず、企業としてのメッセージを削りにけずって、視聴者の皆さまに笑っていただくことを目指した。1にも2にも、3にも笑いが大事。実際に調査すると、CMで笑ったという方が増えれば増えるほど、auブランド好意度も比例して高まることがわかっている。来年は少し予算を増やし、2冠を狙いたい」(田中社長)
2位となったソフトバンクの、内池大輔・広告宣伝統括部 統括部長は受賞の壇上で、「もう一度初心に帰り、新たなアイデアでサプライズを提供することが必要かもしれない。現在、(ヤフーの)ワイモバイルでは、ネコをキャラクターにしたCMを打っているが、来年はイヌとネコでワンツーフィニッシュを狙いたい」と意気込んだ。
NTTドコモは9位だった。