「うまい、やすい、はやい、けんこう」をデジタルで構築する 吉野家のマーケティング戦略とは

お客さまの健康を「デジタル」で実現する

吉野家 企画本部宣伝企画部長 田中安人 氏

高度経済成長期、「はやい、うまい、やすい」を掲げてチェーン展開した吉野家は、ワンアンドオンリーで高い利益率を叩き出していました。けれども時代は変わり、BSE問題などで競合他社に水をあけられたこともあり、突破口を見つけようともがく日々が続きました。

そうした中、消費者リサーチを進めてみると、当時のスーパーマーケットに並んでいる商品の3割は健康商材でした。「今後は“健康”がトレンドになっていく」と直感し、吉野家グループでも「健康」路線を追求しようと決めました。はなまるうどんで「レタス1個分の食物繊維」が入った麺に切り替えたことや、吉野家で肉なしで具が野菜だけの「ベジ丼」を販売したのも、取り組みの一例です。

現在は「うまい、やすい、はやい」に加えて「けんこう」を掲げ、これらをデジタルで構築することを目指しています。実現にあたっては、バーチャルとリアルのプラットフォーム(基盤)づくりに注力することにしました。弊社の経営理念は、「For the People」。お客さまにお値打ち感のある商品をお届けし、社会のニーズを満たしたい――。そのためにお客さまの声に耳を傾け、分析し、我々のビジョンにつなげていきたいと考えています。

例えばPOSデータ。最近ならiBeaconデータといったところでしょうか。取り組みの一環として、今年7月にTポイント・ジャパンが運営する「Tポイント」の導入を発表しました。消費者の属性や行動特性がカードに記録されるので、ポイント加盟企業はその情報を得ることができるようになっていて、私どもはお客さまの求めに応じた商品開発や販促施策に役立てようと、来年からの導入を決意いたしました。より良い商品、サービスの提供を目指すべく、活用していきたいです。

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