世界一の朝食「bills」仕掛け人が最近行った場所、買ったもの

“世界一の朝食”として知られるオールデイカジュアルダイニング「bills」、台湾で人気NO.1のかき氷「ICE MONSTER」など、話題の店を次々とプロデュースしてきた中村貞裕氏。海外の流行をいち早く日本に導入し、ブームを生み出してきた成功の秘訣は、手足を使った丁寧な情報収集と、話題性を意識した緻密なコンテンツづくりにあった。話題になるためのコンテンツづくりや、今注目している場所について聞いた。

—普段はどのような買い物をしていますか。

「ミーハー」が武器だという中村氏。SNSや雑誌の立ち読みから手当たり次第に集めた情報のうち、気になったものは自分の目で確かめてこそ、ミーハーとしての真の力になると話す。

服はスタンダードなものが好きなので、決まったものを買うことが多いですね。ただし、靴には凝っていて、ラグジュアリーブランドを中心に、スニーカーをたくさん集めています。ここ10年は毎シーズン買っているので、40足ほどあるでしょうか。

スニーカーが好きだから買うというよりも、コミュニケーションツールになるものとしてスニーカーを買っています。最近は取材を受ける機会が増えているのですが、メディアにはおしゃれな人が多くて、

ファッションで対抗しても勝てないなと思ったんです。ただ、高価なブランド靴を履いている人はあまりいないので、だったらグッチやクリスチャン・ディオールなどブランドが出しているスニーカーを片っ端から集めて、靴でキャラ立ちしようと決めました。海外で人に会うと、必ずスニーカーに気づいて褒めてくれます。本当に受けがいいですね。今のところ作戦成功です。

—最近行った場所はありますか。僕は仕事やマーケティングを兼ねて、月2回くらいは海外に行きます。

普段から雑誌の立ち読みやSNSからの情報のインプットを大事にしていて、気になった店や施設があれば、お金と時間が許す限り現地に見に行くようにしています。

いろんな場所を訪れますが、なかでもニューヨークにはよく行きます。ニューヨークは日本人の憧れの街であり、東京そして僕自身が最も影響を受けている街なので、ベンチマークにしています。

今、ニューヨークではフードコートが流行っています。フードコートといっても、日本の商業施設にあるようなチェーン店を集めたものではなく、影響力のある個店を集めたセレクトショップのような「プレミアムフードコート」という業態です。雰囲気もかっこいいし、個々の店自体もこだわりがある。東京でもそういったフードコートが求められていくと思います。

僕らは今年、「Guzman y Gomez(グズマン イー ゴメズ)」というメキシカンフードをラフォーレ原宿にオープンしました。新鮮な食材と手作りにこだわったヘルシーなプレミアムファストフードです。実はここでもニューヨークのプレミアムフードコートを参考にしています。ラフォーレ原宿さんから「飲食店を誘致したい」と相談を受け、僕らのメキシカンフードを軸に、アイスクリーム専門店や人気フレンチフライ店などをセレクトしたプレミアムフードコートを提案しました。

次ページ 「他に、これまで訪れた場所で印象に残っている場所はありますか。」へ続く

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