最新ミュージックビデオ『今、話したい誰かがいる』の制作秘話
中村:ちょっとミュージックビデオの話も聞かせてください。ミュージックビデオをリリースして2週間ぐらいですよね。60万回ぐらい既に見られていますが。
権八:見ましたよ。
中村:西野さんは耳が聞こえない人という設定で、ダンススクールに通うメンバーと手話でコミュニケーションをとってみたいな。あのストーリーをなぜ澤本さんは思いつかれたんでしょうか?
澤本:この間『気づいたら片想い』のビデオを作ったとき、歌じゃない部分のお芝居を入れていたんですけど、邪魔だと書かれていて(笑)。
中村:そういうのを気にされるんですね、やっぱり。
澤本:意外と気にしちゃったの。だったら今回はほとんど曲だけにしたいと思って。手話ならセリフを入れなくて会話できるじゃないですか。『今、話したい誰かがいる』というタイトルと一緒で、本当に話したいと思っているんだけど、それが普通にただ話すだけじゃなくて、体を使ってもできるし、ダンスだって一緒に踊ると気持ちいいじゃないですか。だから、手話も会話だし、ダンスも会話だと思ってつくったんです。あと今回はダブルセンターで西野さんと白石さんが平等に役を持ってというお題もあったから、逆に考えやすかった。
西野:そうなんですね。
澤本:この2人が友達になっていって、友達としてずっといたいけど、いられなくなっちゃうという話にできるなと思って。この2人はフィルムで撮影すると、極端に表情が違うんです。
権八:はぁー。
澤本:西野さんは大きい演技はしないけど、気持ちを感じさせるようなことができて、白石さんははっきり自己主張をするような演技をするから、極端に違った2人なんですよ。そういう対比もできるなって思ったんだよね。
権八:ちょっと引っ込み思案な西野さんが1人でいるところに、積極的に話しかけるのは白石さんで。そういうキャラクターの違いもあって、親友になっていくみたいなね。
澤本:そこはきちんと撮りたかったんだよね。僕がびっくりしたのは西野さんが現場で耳栓をしていたことです。耳が聞こえない人の役割だったから。
権八:真面目。
澤本:そういう、耳の聞こえない方々にも、こういう脚本でやるときに何か嫌なところありますか、リアリティ出てますかと聞きながら作ったんだけど、僕たち何も言ってないのに耳栓をして演技をしてたの。えらいと思って。
中村:ななせまる的には演技が難しいぞみたいな部分があったんですか?
西野:そうですね。音が聞こえなくて、みんなと振りのタイミングが合わないというシーンだったので、しっかり音が聞こえていると、ずらすときにわざとらしさが見えちゃうと思って。
中村:ステップが合わないんだけど、ダンス一緒にできたよねみたいなシーンがありますよね。あそこもいいですよね。
澤本:そのずれ具合がリアリティがあるじゃないですか。本当にリアルにやっているからそうなってるんだよね。
中村:残念ながらお時間です。みなさんの質問やお便り、何でも構いませんのでドシドシくださいませ。メールアドレスはsuguowa@tfm.co.jp。また、「すぐおわ」Facebookページにコメントを書いていただいたものもお便りとみなして、どんどん読んでいきます!
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構成・文 廣田喜昭