ツール・ド・フランス人気などでスポーツサイクル市場は拡大
ワイ・インターナショナルは1898年に創業した老舗の自転車販売会社。現在は、スポーツサイクルの車両本体および関連アイテムやウエアなどを専門に取り扱う店舗「Y’s Road(ワイズロード)」を、東京を中心に名古屋や大阪などに35店舗展開している。
自転車のマーケットは、普段の生活で利用されている通常自転車は下降傾向にあるものの、同社が扱っているスポーツサイクルは、ツール・ド・フランスの開催や、スポーツサイクルをテーマにしたアニメ『弱虫ペダル』の人気、健康志向の高まりなどを受けて、徐々に拡大してきている。同社は、800億~1000億円と言われている国内スポーツサイクル市場において、トップの販売シェアを誇る。
同社は経営方針として、店舗に大きな権限を与えている。仕入れや販促施策などは、店舗側の裁量に任されている部分が大きい。そのため店長をはじめ店舗スタッフは、日頃の接客から肌で感じたことを集客や販売促進に活かし、売上につなげていくことができる。
そのひとつとして話題となったのが、昨年、東京・池袋店が実施したアニメ『弱虫ペダル』関連商品の販売コーナー設置だ。道路に面したウィンドウディスプレイには、アニメの登場人物の劇場公開版ポスターとともに、登場人物が乗っていたロードバイクを展示。店内にも、登場人物やアニメ関連のポスターが設置され、アニメ専門店のような演出が行われ、コラボ商品も販売した。スポーツサイクルに関心があったものの始めるきっかけがなかった初心者などに強く訴求するプロモーションとなった。
店舗独自の販促施策だけではなく、全社レベルで行う販促イベントも行われている。そのひとつが、主要店舗で実施されている「サンデーライド」だ。スポーツサイクル初心者などを対象に毎週日曜日、各店舗周辺のサイクリングロードや公道などを、店舗スタッフの引率のもとに走行するものだ。
実際に走行しスポーツサイクルの乗り方を教えるだけでなく、安全に走行するための知識や走行マナーなどを参加者に分かりやすくレクチャーする。