本記事は『広報会議』1月号に掲載されたものです。
発売1カ月で想定外の完売
「ひとり焼肉」「ひとりカラオケ」のように、単独行動でアクティブにオフの時間を過ごす「ソロ活」を楽しむ消費者が増えている。そんな新たなライフスタイルを後押ししようと、2015年3月に「オヒトリサマBBQグリル」なる商品が発売された。その名の通り、一人でもバーベキューを楽しめるコンパクトなグリルで、アウトドア用品などのブランドを展開するビーズ(東大阪市)が販売している。
「BBQを一人で楽しもう」という逆説的な提案がヒットし、3月の発売直後から「週アスPLUS」「ねとらぼ」など10以上のウェブメディアが取り上げ、テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』にも登場。さらに4月から5月にかけて『ズームイン!!サタデー』(日本テレビ)、『あさチャン!』(TBSテレビ)、『めざましテレビ』(フジテレビ)など情報番組でも商品紹介や「ソロ活」の特集で取り上げられた。
一連のメディア露出の増加により、ブランドサイトのPV数は過去最高を記録。想定していた半年分の在庫が発売後1カ月で完売するという売れ行きにつながった。「当社の販路はネットが中心なので、ウェブPRの成否は売上に直結します。今回は多くのネットメディアからテレビ、新聞・雑誌にも取り上げられたことで、一気に勢いが加速しました。まさにネットはPRの主戦場だと考えています」とビーズの広報担当、熊谷未央氏は説明する。
とはいえ、ウェブメディアと一口に言っても、大手からレビュー系サイトまでその形式も様々。どのメディアに載るかによってリーチできる顧客層も変わってくる。「大手に載れば話題になりますが、サブカルチャーの色が強い専門メディアに掲載されると売上に直結しやすい傾向も。メディアの大小に限らず、ターゲットに届く場所にアプローチするようにしています」。