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6位 広告界アイデア合戦!エイプリルフール企画 2015 総集編
2016年の“fool”なネタは?
節分、バレンタイン、エイプリルフール、ハロウィーン、クリスマス……。企業にとってもコミュニケーションの機会になりやすいイベント行事。なかでも最大の注目は、4月1日のエイプリルフール。あらゆる企業がアイデアを競い、ユニークなコミュニケーションを繰り広げるのは、いまや “恒例行事 ”になりつつある。
多くの企業がユーモアたっぷりのコミュニケーションを仕掛ける分、企業としてのセンスがより問われるようになり、各社の熱量も年々高まっている。2015年の事例を総集した本記事では、グーグルやレッドブル・ジャパン、Uber Japanなど外資系企業が目立つ一方、栗山米菓や森永乳業などといった国内の企業も健闘。2016年にはどんなアイデアが生まれるのか(写真はロッテ「爽」の企画)。
11位 auが描く“自由すぎる”桃太郎×金太郎×浦島太郎/au「あたらしい英雄」篇 ほか3篇
CM界に9年ぶりの新王者が誕生
いまやすっかりお茶の間に定着したauの“三太郎”シリーズのCM。桃太郎、金太郎、浦島太郎という日本を代表する3人の「英雄」は、実はトモダチだったという設定で、2015年1月にオンエアを開始。10月までに55パターンのCMを放送した。
かぐや姫や乙姫、鬼などの新キャラクターを続々と加え、視聴者を飽きさせないコミカルなストーリーを展開。互いを「桃ちゃん」「金ちゃん」「浦ちゃん」と呼び合い、今風の言葉を使う3人による、本家のストーリーを無視した自由な掛け合いが描かれる。
12月に発表されたテレビCMの好感度トップを決める「第24回ブランド・オブ・ザ・イヤー」(CM総合研究所主催)では、8年連続で首位を堅持していたソフトバンク(2015年は2位)を抜き、見事トップの座を獲得。9年ぶりに新たな王者が誕生した。
さらにCMの世界観をそのままに、あらゆる仕掛けを実施。浦島太郎がCM中で歌った歌(BEGINが作曲)を音楽配信サービスの「うたパス」で配信したり、全国のauショップでCM中にも登場する金太郎飴を配布するなど、CMの世界観を軸にさまざまな展開を行っている。
コモディティ化が顕著な携帯電話業界において、コミュニケーションによって差別化を図る狙いだ。
13位 ちゃんりおメーカー、公開10日で利用者数580万人を突破
注目集めたジェネレーターコンテンツ
サンリオエンターテインメントが、「サンリオピューロランド」の夏季プロモーションとして、デジタルコンテンツ「ちゃんりおメーカー」を公開したことを伝える記事。
「ちゃんりおメーカー」では、顔写真をアップロードしたり、用意されたさまざまなパーツを組み合わせることで、ユーザーが自分自身をモデルにしたサンリオキャラクター「ちゃんりお」を作成できる。
「ちゃんりおメーカー」に代表されるように、2015年はジェネレーターコンテンツが人気を集めた。ジェネレーターコンテンツとは、自分の顔のデータを入力すると、その情報がシステム中で自動的に処理され、オリジナルのキャラクターなどが生成されるもの。
自分にそっくりのアバターを作成して、SNSのプロフィールアイコンなどにしている人も多い。
企業のプロモーションで活用されるケースも増え、ミンティアの「MY MINTIA MAKER(マイミンティアメーカー)」や日本中央競馬会が「ウォーリーをさがせ!」とコラボしたキャンペーン「有馬記念でさがせ!」などでも活用された。
「ちゃんりおメーカー」のプロモーションは、ヤフーが主催する「Yahoo! JAPAN インターネット クリエイティブアワード 2015」で企業の部のグランプリに選出された。
審査員のワンパク 阿部淳也氏が「本当に生活者に届いたプロモーションだった。2000万回つくられ、SNSで広がった。さらにオンライン上の文脈に終わらず、ピューロランド内の施策やリアルなグッズ展開などにつながっているのがすばらしい」とコメントした通り、誰もがプロフィールを持つSNS全盛の時代ならではのプロモーションで、多くの支持を集めた。
15位 全身モフモフ!全長6mの巨大クロネコが新宿駅に出現―ヤマト運輸新キャンペーン
“モフモフ”記事もランクイン
29位「渋谷駅に “モフモフ ”の駅貼り広告あらわる─クロネコヤマト新サービス訴求」とともに、“モフモフ ”記事が30位以内に2件ランクイン。これらは、ヤマト運輸が4月より開始したサービス「宅急便コンパクト」「ネコポス」のプロモーションとしての交通広告を取り上げた記事。
第1弾は4月に、モフモフポスター(写真右)を渋谷駅構内に掲出、第2弾は2015年9月から2016年1月上旬までの期間で「巨大クロネコ 全国行脚」企画を実施中。
横幅6m・高さ2m以上の巨大な「全身」クロネコ(写真左)が全国を行脚する。クロネコの“モフモフ”の毛並みも再現した立体的なつくりとなっており、触ったり、写真を撮る人も多く、そのインパクトゆえにSNSでも拡散されている。
ヤマト運輸の新サービスは、いずれも通販やオークション市場の拡大に伴い、「小さな荷物」の宅配ニーズが多様化していることを受けてスタートしたもの。急速にユーザー数を伸ばしているフリマアプリ「メルカリ」の台頭など、消費形態の変容によって宅配ニーズの増加・多様化も予想される。
2016年以降は、企業が物流からマーケティング戦略を見直す動きも活発化していきそうだ。
12月29日に発売される『宣伝会議』2016年2月号の特集は、「読めばアイデアが湧く!メディア・テクノロジー・クリエイティブ 注目トレンド 2016」、「次なるヒットのヒントを掴む 2015 年の広告界を総決算」。2015年に話題になった広告界のニュース、トレンドを読み解きながら、2016年の広告界を大予測します。ぜひ年末年始のタイミングでご一読いただければと思います。