年始め、家電・モバイル・テクノロジー業界の恒例行事である「CES(コンシューマー・エレクトロニクスショー)」が今年も米国ラスベガスで始まりました。CESは3631社が出展、世界153カ国から約17万人が参加する世界最大級のテクノロジーイベントです。さらに最近はスタートアップの参加も目立ち、昨年は375社の参加がありました。つまりCESは大企業からスタートアップまで、今年1年のテクノロジートレンドを把握することができる魅力的なイベントなのです。
コンシューマー・エレクトロニクス(家電)からテクノロジーへ
今年のCESは、開催に先立ち一つの分岐点と言える大きな出来事がありました。CESの主催・運営団体であるCEA(Consumer Electronics Association;全米家電協会)が、自らの名称をCTA(Consumer Technology Association:全米民生技術協会)へと変えたのです。個人的には「とうとう、その時がやってきたか」と、「やっとかなぁ」の気持ちが入り混じった感情にかられました。というのも、長らく家電(テレビや白物家電)が主役であったCESは、ここ数年はモバイルや、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)へとテーマが大きくシフトしています。
特に昨年はウェラブル、コネクテッド・カー、スマートフォームなど、あらゆるモノがネットとクラウドに接続された世界である、IoTに関する発信や展示が主役でした。その辺は、昨年の「アドタイ」でのレポート記事を参照ください。さらに3Dプリンター、ロボット、ドローンや多くのクラウドを通じたサービスなど、もはや家電やパソコン・携帯電話の延長線上では語れない新しいテクノロジーの存在感が高まるにつれて、こうした変化は必然だと私は思うわけです。
Unveiledから見えるCES2016のトレンド
今年も現地からの第一弾は、プレスイベントであるCES Unveiledからお届けします。Unveiledは、CESが注目する最新のテクノロジーやコンセプトのプロタクトと企業が出展をするプレス向けイベントです。ある意味、今年のトレンドの先端を示唆している場ではないでしょうか?
スマート秤
ドローンはCES2016の注目プロダクト
VR(バーチャルリアリティ)関連商品も注目されています。
簡単にIoTプロダクトの開発に参入できる開発者向けキット
さてCES2016初回レポートはいかがでしたか?
次回よりキーノート、主要展示、CESと同時開催のAT&T(米国通信会社大手)デベロッパーサミットから、広告・マーケティング・クリエーティブ視点で、現地からレポートをお送りしたいと思います。
森直樹(もりなおき)
電通 CDC部長 事業開発ディレクター、クリエーティブ・ディレクター
光学機器のマーケティング、市場調査会社、ネット系ベンチャーなど経て2009年電通入社。デジタル&テクノロジーを活用したソリューション開発に従事し、AR(拡張現実)アプリ「SCAN IT!」、イベントとデジタルを融合する「Social_Box」、「SOCIAL_ MARATHON」をプロデュース。さらにデジタル&テクノロジーによる事業およびイノベーション支援を手がける。最近は、経営や事業戦略に基づくUI・UXデザインや、ネット事業モデルによる事業革新の支援プロジェクトに取り組む。 日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会の幹事(モバイル委員長)。著書に『モバイルシフト』(アスキー・メディアワークス、共著)など。ADFEST (INTERACTIVE Silver他)、Spikes Asia (PR グランプリ)、グッドデザイン賞など受賞。
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