――どうすればいいのでしょう?
石嶋氏 例えば、次のようなプロセスを考えてみましょうか。
- Webサイトに来た=1000人
- 商品詳細ページを見た=20人
- 購入ボタンを押した=5人
このプロセスを改善するために、どんなことが考えられますか?
――商品詳細ページに移動していないのは、説明が悪いんでしょうか。もしかして写真かも…そもそもサイトの中で見つけづらいとか…。
石嶋氏 仮説を立てる際、購入者の分析が役に立つ場合があります。例に挙げたプロセスでは、「詳細ページ」が障害(ボトルネック)になっています。購入ボタンは4人に1人が押しているので、詳細ページを訪れる人が増えれば、売り上げも増えるはずです。
ここでいきなりA/Bテストなどを始めないこと。購入者に「買った決め手」を尋ね、集計してみましょう。例えば、顧客は高級感よりも雑貨的なテイストを求めて商品を購入していたとします。それを知らないまま、「高級商材を扱っていると思われたい」という意識でA/Bテストを進めてもムダになってしまいます。
きちんと顧客が自社に求めることから逆算すれば、必要なデザインを想定しやすいですし、コストも減らせます。テキストや写真は置き換えが比較的カンタンなのでアレコレ試したくなりますが、もっと根本的なところで間違っているケースも少なくありません。手当たり次第に試行錯誤するのはお金と時間のムダです。
――なるほど、日ごろから顧客の声を収集しておくことが大事なのですね。
石嶋氏 はい。お客さまの意見や動き方と、実際のWebサイトと、どこに食い違いがあるのか。購入に至るプロセスのボトルネックを洗い出し、何がいけないのか仮説を立てる。そして仮説の検証方法を決め、有効なものから実行し、変化を計測する。それが「CRO」です。
ですから、「CRO」では記録を残すことが何より重要です。記録にもとづいて、実直に仮説を検証する。これを繰り返していけば、着実に数字はついてきます。
――なるほど。「CRO」の基礎が分かってきた気がします。
石嶋氏 では、大事なポイントをおさらいしましょうか。
- 「CRO」とは「お客さま化」するプロセスの効率を上げること
- 効率を上げるための仮説は、購入者の分析にヒントがある
- 「CRO」では記録を残すことが何より重要
――これで「CRO」を行えば一安心ですね。
石嶋氏 ああ、もうひとつ絶対に忘れてはならないことがありました。「CRO」に終わりはありません。
――一度行えばいい訳ではないのですか…?
石嶋氏 ダメです。消費者の好みやニーズは日々移り変わります。競合他社もWebサイトをどんどん改善していきます。せっかく売り上げがあがるようになっても、行動を止めてしまっては、また下がってしまいます。
あるいは、こう考えてはどうでしょう。「CRO」はセールスマネジメントやオペレーション改善に似た取り組みです。改善点というのは、どんな場合でも必ずある。改善を繰り返すからこそ、前年・前期よりも売り上げを高められるんです。
だから「CRO」を繰り返せば、自然とマネジメントの素養を鍛えることにもなると思いますよ。
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