前略、コピーの道の上より。

山あり谷あり、近道なき、コピーの道。

とまあ、話はつきないのですが。ものすごく昭和的な、文字通りの「叩き上げ」の道を経て、今のジブンがあります。

宣伝会議の御堂島さん(今回、担当させていただくコピーライター養成講座「叩き上げ」コースをはじめ、数々の講座をプロデュースしている、敏腕です)にしたら、意図した「叩き上げ」(=いかにコピーライターとして生き抜いてゆくか、その術を学ぶ場)とは、ちょっと違う方向に話がいっちゃってるぜ…ということになるかもしれませんが。

でも、こんなジブンだからこそ、伝えられることがあるんじゃないか、とも思います。「あの日、もがいていた僕へ。いま、迷っている君たちへ」。そんな気持ちで。僕自身、まだコピーライターとして「叩き上げ」の道の途中ですが。みなさんの途中を、最高の通過点にするための授業をしたいと願っています。

題して「リアル叩き上げDAYS」。以前、コピーライター養成講座 基礎コースのコピートレーニングという50人くらいの少人数クラスを担当していたのですが…あの時よりも、もっと、一人ひとりとの距離をつめて、より丁寧にやってゆきたいと思います。

具体的に言えば、全三回ある僕の枠では、毎回コピーの課題が出ます。金の鉛筆をとった人は、その課題は終了。ですが、そのレベルに達していない人には「直し」をお願いします。より具体的なディレクションの元、コピーを再提出してもらいます。つまり、次の課題提出時には、前の課題の「直し」も一緒に出さなければならない。そう、できるまで、やっていただきたい。僕らコピーライターは、常に複数の案件を同時進行しながら日々を過ごしています。その疑似体験をしてもらいたいのです。一回目の課題の直し、二回目の課題の直しを抱え続けると、三回目の課題提出時には、いっぺんに三つの課題への答えを考えるという、リアルなドキドキ感、切羽詰まった感が味わえます。

もちろん、コピーの課題を出すだけでは、他の講座と同じになってしまうので「コピーの道に迷ったら、コレを見ろ!コピーライターとして生き抜く道しるべ30条(仮称)」という副読本みたいなレジュメを用意して、そこからいくつか抜粋してお話することも考えています。

常に厳しく、けど、たとえハナタレでも、いい企画、いいコピーを出したら、それを見逃さずに、ホメる、のばす、次へつなげる。そうやって育ててくれた東本社長のように教えられるかは、さておき(もちろん、殴る、蹴るなんて、しません。僕にはできません。なので、女性の方も安心して来てください)。

一緒に講座を担当してくれる原晋さん、安田健一さんは、コピーの課題以外の「生き抜く術」について、より重点的に教える予定だと聞いています。三者三様の「叩き上げ」を、楽しむ気持ちで来ていただけたらと思います。

「なんだよ、叩かれて叩かれて、叩き上げられても所詮、赤城レベルかよ」

と、みなさんに言われないように。ジブン自身も、より高みをめざし、よりワクワクする仕事を成し遂げてゆきたいと、決意を新たにコピーに向き合って…あっいたたたた…。左手の小指の関節が痛い…あの頃、東本社長に愛のトゥ・キックを喰らった場所が、ズキン!とする。この痛さ…今夜は、きっと寒くなるだろうな。以上、前略、コピーの道の上より。


赤城廣治 氏
赤城廣告 コピーライター

1966年神奈川県生まれ。不動産広告中心の広告代理店(株)創芸入社、コピーライターとなるも不動産以外の広告もつくりたくなり2年で退社。91年、広告制作プロダクション(株)アドビジョン入社、恩師となる東本三郎氏に出逢い、コピーのコの字から叩き込まれる。97年TCC新人賞受賞(東洋羽毛工業「ぐっすりが、いちばんのくすり」)。03年独立。11年赤城廣告(株)設立。最近の仕事に、大塚食品クリスタルガイザー「あなたが飲んでいるのは、シャスタに流れる時間だ」、大阪ガス「ガ、スマート!」、アンファー企業広告「たのむよ、アンファーマン。人生を楽しむ医学」、亜細亜大学経営学部スポーツホスピタリティコース「ひとりで勝てる人なんて、ひとりもいない」、豊田通商企業広告「現場に立て。明日に役立て。トヨエツではなく、トヨツウです」、京王電鉄TAKAOプロモーション「高尾山だけじゃないTAKAOへ」、スバルレヴォーグ「わが未知をゆこう」、高砂熱学工業企業広告「空を壊さない、空気をつくれ。TakasaGo!」など。


赤城氏が講師を務める「コピーライター養成講座 叩き上げコース」が1月30日に開講します。コピーの作法や考え方はもちろん、大手広告会社の所属でなくても、またクリエイティブではなく営業からスタートだったとしても、コピーライターとして活躍する術を教えていきます。
詳しくはこちらから。

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