ドーム×ブライトコーブ
何でも動画化する企業ならではの悩みがあった
「アンダーアーマー」の日本総代理店として、国内販売を一手に担い、さらに読売巨人軍とのパートナーシップ契約、スポーツサプリメント事業、スポーツメディカル事業なども手がける。こうした数々のスポーツ関連事業で今急成長している企業が「ドーム」だ。
そんな同社が、社内外に向けたコミュニケーション手段として力を入れるのが「動画」。アンダーアーマーのブランドムービーに始まり、営業担当者が商談で使用する企業や商品紹介動画、トレーニングのマニュアル動画、テーピングなど商品の使用説明動画、さらには企業理念まで、ありとあらゆるコンテンツを動画化している。
「スポーツの魅力を伝えるのはやはり動画です。動画でブランドを体験してもらい、マーケティングに活用しています。社内に動画の専門スタッフがおり、ほぼすべてインハウスで制作しているのも特徴です」と、営業・マーケティング本部 ブランドマーケティング部 部長の戸恒義明さんは話す。
この10年あまりで制作した動画の数は500本以上。会社の資産として蓄積されていく一方で、営業から動画がどこにあるか問い合わせを受け、探すのに時間を費やしてしまうこともしばしば。その整理と格納が課題になっていた。
コンテンツプロバイダ事業も見据えて新体制に
そこで、同社が 2015年9月にオープンしたのが、インナー限定動画サイト「有明放送局」である(有明はドームの本社所在地)。動画配信プラットフォーム「Video Cloud」(提供:ブライトコーブ)のギャラリー機能をカスタマイズし、ジャンル別にサムネイルが並ぶ、メディア仕様のサイトを作った。ブランドムービーや各種商品説明動画に加え、同社主催のスポーツ大会のダイジェスト動画、メディア露出した際の保存用動画なども社員がいつでもアクセスできるようになっている。
サイト上で動画のタグ検索も可能だ。さらに、毎週月曜日に行われる朝礼で安田秀一代表取締役のスピーチを、駐在社員のいるアメリカや韓国を含む海外拠点に生中継し、リアルタイムで情報共有できるようにした。
「会社全体で効率化につながり、マーケティング部への問い合せも大幅に減りました。近年、企業の動画活用が注目されていますが、拡散して PR につなげるだけではありません。企業内で眠るコンテンツをマネジメントし、マーケティングに活用することも有効な動画マーケティングだと考えています」と戸恒さん。
将来的には、主催するスポーツイベントのライブ中継映像を外部メディアに有料提供するなど、動画を使った新事業にチャレンジしたいと語った。