マーケターは自らの決意表明として、新年に「予測」を語るべきではないか。

3. データが「触媒」となるプラットフォームを確立する

クリエイティブによる言語を発見し、デジタルを核にしたビジネスソリューションを実行していくうえでは、それを継続的なビジネスとして運用していくためにデータ活用が欠かせません。

もちろんデジタルにおけるデータの重要性は指摘するまでもありませんが、問題はビジネスにおいて数字はいくらでも得られ、それをどのように活かすのかということは経営にも大きく関わってくる点です。このデータを経営の意思決定に活かすという姿勢は、単なるマーケティングメトリックスの設定というよりも、財務諸表を経営のダッシュボードに適用することと同じです。

つまり、どのデータをどのような対象に、どのような結果を期待して、どのような行動につなげるか、というフローを明確にした上でデータに取り組む必要があります。数字そのものは常に事実として中立的なので、データサイエンティストがいれば解決するわけではありません。それは財務部があれば会社の財務状況が安泰になる、というわけではないのと同じです。その意味でデータはあくまで「触媒」であって、さらに触媒であるためには、誰がどの様なことに活用するか、そしてどう加速させるか、どう結果を行動に活かすか、ということが見えていないと意味がありません。

ただし、自分が「プラットフォーム」と書いたのは、それが経営者だけでなく従業員全員にも可視化されていなければならないからです。デジタルマーケティングにおけるダッシュボードは、ただの経営会議の資料ではなく、目の前に起きていることの指針にならなければ、本当の意味での効果を発揮しないからです。

以上が、私の決意表明になります。
これを読んでいるマーケターの皆さんも決意表明としての「予測」をこの機会に考えることをお勧めします。それは年末には反省や評価に変わり、その都度、その決意は変わっていくのが自然です。重要なのは、その予測の正否ではなく、目の前を通り過ぎていく事象を単に眺めることから、どれだけその光景を変えるために自分や組織を「行動」に導けたかを見ていくことです。

それが「一年の計」の真の意味合いです。

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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