「芸能人は歯が命」のCMで一世を風靡
中村:さぁ、今週のゲスト。味の素、Cook DoのCMで日本中の胃袋をわしづかみにし続けている、“権八さんの心の師匠”こと、CMプランナーの佐藤由紀夫さんです!
佐藤:こんにちは、佐藤です。
中村:早速ですが、ラジオCMの一般的な尺の20秒で自己紹介していただくという、わりと無茶ぶりなコーナーがあるんですが。CMプランナーの方にやっていただくのは申し訳ないですが、お願いいたします。よーい、スタート!
佐藤:電通におります佐藤由紀夫と申します。えーと、目の前で2人笑い転げているのでちょっと言いにくいですけどCMプランナーおよびクリエイティブディレクターをやっております。5秒前だ! 佐藤です。よろしくお願いいたしましたー!
澤本:「佐藤です」しか言ってない(笑)。新しい情報なかったですね。
中村:そんな佐藤由紀夫さんですが、僕らの世代でいうと、「芸能人は歯が命」というアパガードのCMが一世を風靡しました。とても記憶に残っています。みんな真似してましたよね。
権八:90年代前半ですかね。「芸能人は?」と言うと、「歯が命」と返してしまう。実際、あれはそういう言い方があったわけではないんですよね?
佐藤:違います。いろいろな事情があって、タレントさんが決まってたんですよ。東幹久さんと高岡早紀ちゃんで決まっていて、「何とかしろ」と言われても、当時はまだ微妙な方々だったので。でも、大きく括れば芸能だろと。
権八:大きすぎだよ(笑)。
佐藤:そんなことから芸能の人はみんな歯がきれいだし、差し歯、抜き歯をやっているって噂じゃないですか。だから、歯が命だよなと思って。歯が白くなるって薬事法で言えたの。普通言えないけど、それさえ言えばいいなと思ったから、「めちゃくちゃにしてやる!」ってなって、めちゃくちゃにしたの。
一同:笑
権八:「芸能人は歯が命」というキャッチフレーズはもちろんしっかりしてるんだけど、その前のCMの演出、ストーリーはめちゃくちゃでしたね(笑)。
中村:めちゃくちゃだけど、あれは相当、アパガードの登場、売上に貢献しましたよね。
権八:めちゃくちゃ売れたでしょ?
佐藤:大変売れました。もう時効だから言うけど、お金が余っちゃう。会社が急に儲かると次の年に税金払わないといけないでしょ。だから使わないといけないから、次の広告は何千万円使ってくれと。オリエンが「いくら使え!」「どうすればお金かかるんだ」と来るんですよ。だから「ハワイに行けばお金かかりますけど」と言ったら、「それだ!」となって、ハワイに行くみたいな。
澤本:やってた! 無人島の中で光ってるやつだ。
中村:「芸能人はハワイが好き」という。
佐藤:その後、「もっと金を使え」と言われて。「フランスやロスに行ったら大変なことになりますよ」と言ったら、「じゃフランス行け」と。
権八:面白い。
佐藤:その次の年からお金がなくなったから、パッタリやらなくなったでしょ。ほぼそこで終わったんですよ。1年しか命がない企画だった。
一同:笑