SMAP生会見がきわめてソーシャルテレビ的現象だった件(加えて動画配信どうなのよ)

Tweetの一番の盛り上がりは番組中!?

ちなみにデータセクション社が提供する、テレビ番組に関するtwitter分析ツール「TV insight」はインターフェイスが番組表みたいで使いやすいですよ。と、データを出してもらったからには感謝の印として付け加えておきたいですね。(→TV insightリリースページ)

・・・あれ?こんなもん?・・・
このデータは10%のサンプリングなので実数は10倍すればおよそまちがいないわけですが、とにかく昼間は大したことなく、22時15分に番組がはじまってから爆発的に増えている。・・・これでは昼間のうちにニュースが拡散したとは言えないように思えます。

もう少し細かくグラフ化すればちがうんじゃないか。今度は、朝9時から番組がはじまる直前までだけをグラフにしてみましょう。

ま、まあねえ・・・。
ニュースが流れた12時ごろ明らかにTweet数が増えてますが、爆発的とは言いがたいかなあ。まあ100-200だったのが300-400に水準があがっている。実数はこの10倍とするとかなりの数ではありますが・・・、驚くほど拡散したとは言えないかもしれない。・・・どうも謎です。これでソーシャルメディアが視聴率を高めたといえるのかどうか。

私はFacebookで見たわけですし、twitterだけを見てもいけないのかもしれませんが、とにかくまたもや「明確なことは言えない」という結論です。きっと今ごろ誰かもっと緻密に分析しているにちがいない。何かわかった方いたらぜひ、教えてください。

もうひとつだけグラフを見てみましょう。番組の最中とその前後のTweet数です。22時にまだドラマを放送している時間から、スマスマ終了後24時まで。

見ていた方はわかると思いますが、22時15分にはじまって西山アナによるイントロダクションがあり、5人の会見があり、合わせて10分もかからずに終わっています。そのあとはすぐ通常の『SMAP×SMAP』、ビストロスマップのコーナーになりました。Tweet数はその後もあがり続け、山は超えたけどかなりの高さで続いています。

つまりみんな、番組そっちのけで会見について語り合っているわけです。これも奇妙な流れで、31%の高い平均視聴率だったけど、ビストロコーナーはろくに見ないで、メンバーの厳しい表情の理由などをつぶやきあっていた。ある意味、もっとも先進的なテレビ視聴かもしれない。やっぱりSMAPのパワーはすごいということです。

次ページ 「SMAP会見は「テレビ放送のライブ配信化」の象徴」へ続く

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境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)
境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)

1962年福岡市生まれ。1987年東京大学卒業後、広告会社I&S(現I&SBBDO)に入社しコピーライターに。その後、フリーランスとして活動したあとロボット、ビデオプロモーションに勤務。2013年から再びフリーランスに。有料WEBマガジン「テレビとネットの横断業界誌 Media Border」を発刊し、テレビとネットの最新情報を配信している。著書『拡張するテレビ ― 広告と動画とコンテンツビジネスの未来―』 株式会社エム・データ顧問研究員。

境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)

1962年福岡市生まれ。1987年東京大学卒業後、広告会社I&S(現I&SBBDO)に入社しコピーライターに。その後、フリーランスとして活動したあとロボット、ビデオプロモーションに勤務。2013年から再びフリーランスに。有料WEBマガジン「テレビとネットの横断業界誌 Media Border」を発刊し、テレビとネットの最新情報を配信している。著書『拡張するテレビ ― 広告と動画とコンテンツビジネスの未来―』 株式会社エム・データ顧問研究員。

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