神は細部に宿らない? 単位にまつわるエトセトラ。

【前回】「英語のできない日本男児が渡米し12年。シリコンバレーの最前線で働く生活について話します。」はこちら

去年の暮れに、アメリカから久しぶりに日本へ里帰りをしました。小さい子供たちとの長時間のフライトでぐったりと疲れ切った体にムチをいれ、飛行機から降りて一呼吸をすると久しぶりに嗅ぐ懐かしく、そしてどこかほっとする日本の匂いが鼻から入り込んできました。(不思議だけど国によって匂いって本当に違いますよね。)

入国審査も終わり、お腹が空いたとせがむ子供のためにすぐそばの売店へ。なにしろ久しぶりの日本。海外に長期住んだことのある人はうんうんと頷いてくれるかと思いますが、この時点で結構ウキウキ。あれもこれもと余計に買い込んじゃったりします。今回もしかり、普段は飲みもしないのにミルクティーまで買っちゃいました。

結構混んでいたのですが、お客さんはレジへの長い列をきちんと順番を守り、レジの店員さんもせっせと会計をさばいています。お店を出て空港の駅へと向かうと、ホームにはゴミ一つ落ちていません。電車は1分の遅れなく時間通りにやってきて、そもそも自動販売機で切符を買うときちんとおつりも出る。あぁ日本は本当に几帳面さが行き届き、きれいで整然とした国だなぁとあらためて思いました。

何をいうんだ、当たり前じゃないかと訝しがられるかもしれませんが、これ海外(少なくともアメリカ)では当たり前ではないんです。どんなに列が長かろうがダラダラとおしゃべりしながら働く店員。自動販売機はしょっちゅう壊れてるし、切符を買ってもお釣りは基本出ません。ぴったりのお金を事前に用意しておかないといけないんです。一応SUICAカード的なものが数年前にやっとできたのですが、肝心のお金をチャージする機械がよく壊れています。最近アメリカ人の同僚がバスに乗った際に、機械が壊れているせいでお金をチャージができない上に小銭もなく、しょうがなく20ドル札もかかったと憤慨していました。「ありえん!F*CK」って怒っていたので、あぁアメリカ人でもこの状況に怒るんだなぁと、ある意味安心しました。

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Out of Service (故障中)の機械。よくある光景。

アメリカでの生活は、こんな具合に適当で大雑把です。とにかく当たり前のことがなかなか当たり前に成立しない。ただ12年もいるとだいぶ慣れてしまって、期待値のハードルはだいぶ下がってきます。(というか下げないとがっかりの連続で身が持たない。郷に入っては郷に従えですね。)電車がちょっと遅れようが、郵便が届かなかろうが「まぁそんなもんだよな。 As usual.」なんてあまり気にならなくなりました。

でも一体全体、なぜにアメリカってこんなに大雑把なのでしょうか?今回は僕なりの(あくまでも個人的な)考察をご紹介します。

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川島 高(アートディレクター)
川島 高(アートディレクター)

1981年生まれ。慶應義塾大学卒業後、2004年に渡米。文化庁が主催する新進芸術家海外研修員として、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) にてメディアアート修士課程修了。アーティストとして作家活動を行う傍ら、アートディレクターとしてAKQAなどの広告代理店にて活動。日本人として初めてGoogleのクリエイティブラボに参画。サンフランシスコ在住。

Facebook: https://www.facebook.com/takashi.kawashima
Twitter: https://twitter.com/kawashima_san

川島 高(アートディレクター)

1981年生まれ。慶應義塾大学卒業後、2004年に渡米。文化庁が主催する新進芸術家海外研修員として、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) にてメディアアート修士課程修了。アーティストとして作家活動を行う傍ら、アートディレクターとしてAKQAなどの広告代理店にて活動。日本人として初めてGoogleのクリエイティブラボに参画。サンフランシスコ在住。

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