Q.2016年に入り、タレントによるスキャンダル・騒動が相次いでいます。タレントを起用するリスクを過去に比べて意識するようになりましたか。
意識するようになった人が81.4%と、圧倒的に多かった。広告主・広告会社ともにタレント起用について、よりリスクを意識するようになったことが伺える。
Q.こうしたスキャンダル・騒動を受けて、タレントを広告に起用する意向に変化はありますか?
変化が「ない」と回答した人の方が、「ある」と回答した人を上回った。リスクを意識するようになった一方で、起用する意向に「変化まではない人」が一定数いることが読み取れる。
意向に変化が「ある」と回答した人に、どのような変化があるのかを尋ねると、下記のような意見が見られた。
●違約金条項の中身を変える(男性・50代前半)
●起用前のタレントの身辺調査をより念入りに。(男性・40代前半)
●タレントを使わずに面白い広告を作ったほうがいいのではという気持ちがより強くなった。(女性・30代後半)
<広告会社>
●契約時のリスクチェックおよび補償条件がより厳しくなるだろう。(男性・50代前半)
●タレントは社会経験が無いせいか自分の行動に対しての責任感が浅い。 スポーツ選手のほうが、責任感がある。今後はオリンピックもあり、スポーツの分野に尽力したい。(女性・30代後半)
●企業としてのガバナンスが確立されている事務所を優先的に活用する可能性が高まった。また、タレントを起用しないプロモーションを選択することも増えると思う。(男性・40代前半)
広告主・広告会社ともに、契約をより厳格に行うという声が多く見られた。また、タレントを起用しなくても効果を出す手法の模索や、スポーツ選手を起用したいといった考えもあった。
Q.タレントのスキャンダル・騒動などのリスクに対して、何か対策をとっていますか?
広告主・広告会社ともに、対策を「とっていない」という回答が多かった。対策を「とっている」と回答した人に対して、具体的にどのような対策をとっているのか尋ねた。
●危機管理のシナリオの一つとして管理している。(男性・40代前半)
●契約時の条件にスキャンダル・騒動時は違約金または契約解除について記載。(女性・30代前半)
●タレントが出演しないCM素材の用意など、AC差し替えという事態を防止するための対策をとっている。(男性・40代前半)
●ソーシャル上や雑誌含め、不安分子は事前に確認するようにしている。(女性・20代後半)
<広告会社>
●契約書による徹底した管理。(男性・30代後半)
●タレントのリスクをあらかじめ広告主に知っておいてもらう。(男性・50代後半)
●契約書で広告主に与えるイメージ毀損条件を厳格に設定。(男性・40代前半)
対策としては、契約書での徹底的な管理が最も多かった。
編集部 アンケート結果を受けて
2016年初頭に起きたタレントの騒動やスキャンダルが、広告主と広告会社のタレント起用に、影響を与えていることが伺える。特に、広告主側がタレント起用のリスクに、より敏感になっている。
日本ではタレント起用型の広告が多く、今回の騒動で一気に起用を控えるといったことは考えにくい。だが、CMやイメージキャラクターへの起用時に、契約内容をより厳密に決めていく動きが見られるだろう。
今後は広告主の意向を受け、広告会社がタレント事務所に対しても、そのマネジメントをより強く求めるようになっていくことが予想される。