アビームコンサルティングは1月27日、マーケティング業務の変革・改善を継続的に支援する「マーケティングBPRソリューション」の提供の開始を発表した。
同社は戦略、 BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)、IT、組織・人事、アウトソーシングなどの領域でコンサルティング事業を行ってきたが昨年、本間充氏(前・Web広告研究会代表幹事)が入社し、マーケティング領域での新ソリューション開発を進めてきた。
新ソリューションリリース当日には、アビームコンサルティング本社にてセミナーが開催された。
最初に登壇した同社、執行役員の赤石朗氏は「これまで企業の多様な部門のデジタル化を支援してきたが、日本においてはR&D、商品開発、マーケティングのデジタル化はまだ十分に実現できていない。マーケティングのデジタル化はツールを導入して終わるものではなく、ビジネスプロセスにフォーカスした変革が必要。当社のBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)の実績が生かせると考えている」と話した。
その後、昨年末よりアビームコンサルティング ディレクターに就任した本間充氏が講演した。
本間氏は「これまで日本企業のデジタルマーケティングは、メディア投資におけるデジタル比率の拡大といった広告・メディア領域の観点で語られることが多かった。しかし今、必要なのは“マーケティングのデジタル化”であり、これがグローバル基準のデジタルマーケティングである」と指摘。
その上で、従来の「Webマスター」とは違う、他部門を巻き込みマーケティングのデジタル化を推進する「デジタル・マーケティング・マネージャー」という役割が必要だと主張した。
「これまでも日本にもCMOが必要であるという議論があった。しかしマーケティングはブランディング活動など、CFOやCHOとは違うスキルや知識が求められ、経営レベルでこの役割を担える人の出現を期待するのは難しい。マネージャークラスからのボトムアップにより、推進していくマーケティングのBPRが適切と考えた(本間氏)」という。
デジタルテクノロジーが登場し、マーケターも近視眼的に新手法・技術に目が行きがちな状況があるが、本間氏はより長期で俯瞰の視点が必要と言及。同社がマーケティングのBPRに着眼した理由を「マーケターはビジョンをもとに中長期のロードマップを描くことが必要とされている。これまでのマス・マーケティングと消費者の嗜好や行動が変化した時代に対応した新しいマーケティングのどちらに軸足を置くのか。さらに、現在の事業モデルそのものをデジタル時代に合わせて変革するべきなのか、広い視野から意思決定する必要がある。デジタル・マーケティング・マネージャーとともに、マーケティングの中長期のロードマップをつくり、経営層のコンセンサスを得て、関係部署を巻き込んでBPR実現を支援したい」と話した。
アビームコンサルティングの「マーケティングBPRソリューション」は6つの観点、約200の診断項目からマーケティングの成熟度を診断する「マーケティングオペレーションアセスメントサービス」をベースに8つのサービスを提供していく予定だという。