つくる側・使ってほしい側・使う側の視点で考える
——「行ってきた」シリーズでは、その会社の広報でも気付いていなかった細かい部分を多く紹介されています。
ひとつの場所を、様々な視点から見ているからだと思います。オフィスで言えば、つくる側、使ってほしい側、使う側とか。私はイベント業務も担当しているので、人に見てほしいところとか、伝えてほしいことろがだいたい分かるんですよ、その場に行くと。これは推したいんだろうなとか、どうでもいい風に見えるけどこれは誰かの、会社のこだわりなんだろうなとか。
それに、そういうこだわりというか運用上で出てきた小さな課題を解決する方法って、会社の色が出るんです。例えば、リモコンをすぐ使えるようにテレビの裏にマジックテープで貼り付けてあるのを見つけたりすると、「配慮が行き届いた会社なんだな」って印象受けますよね?そういうところです。
——「ひとつの場所を、様々な視点から見る」って広報としても大切な視点だと思うんですが、まずは自社でやってみるのが良いかもしれませんね。当たり前の環境すぎて気づいていないところから疑ってみるというか。
ブログは本業のための素振りである
——ブログはどれくらいの頻度で更新しているんでしょうか?
私はプライベートでブログを書いているので息抜きなんですよ。本業で文章を書くための素振りみたいなもので。なので、暇なときはたくさん書きますし、忙しいときは全然書けないですし。更新頻度はまちまちですね。
——いつ書いているんですか?
仕事の合間にちょこちょこ書き足してってって感じですね。家でももちろん書きますけど。私はライブドアブログを使っているんですけど、下書きにボンボン突っ込んでいけるんですね。なので、自分が書きたいと思ったことをタイトルにいれて下書きにしています。そもそも、「同僚や身近な人に教えてあげたい」って理由でブログを書いているんですね。「行ってきた」もこの間こういう会社に行ったらよかったよ、って周りの人に伝えるコミュニケーションの延長なんですよ。なので、ブログを更新したあとにオフィスを歩いているときにフッとモニターを見ると自分のブログが出ていたりすると「見てる!すごい!」って嬉しくなります。
——ブログやオウンドメディアを運営しながら、世の中の変化を感じることがあれば教えてください。
ソーシャルメディアが発達するにつれて、記事の消化されるスピードがどんどん速くなっているのを感じます。本当に一瞬で見て判断されるので、中身よりタイトル勝負だし、読まれても1〜2分だけという状態で。
とはいえ、中身を大事にしないといけないですし、全体のクオリティは担保しないといけません。高速で消費されるようになったとはいえ、「神は細部に宿る」じゃないですが、ブログも本業もキッチリしたものを出したいですね。
櫛井優介さん
LINE「LINE HR Blog」「941::blog」
仕事ではLINEのエヴァンジェリスト/技術広報として、オウンドメディア「LINE HR Blog」を、個人ではブロガーとして「941::blog」を運営する櫛井さん。「941::blog」の人気コンテンツである、企業のオフィスを訪問する「行ってきた」シリーズは、取材先企業の採用にも直結すると言われるほどの影響力があるとか。
砂流恵介(すながれ・けいすけ)
PRプランナー/ライター
1983年、広島県生まれ。秋葉原でPCショップ販売員の経験を得て、日本エイサーへ入社。宣伝・広報を担当する。2013年12月退社。手段を選ばないゲリラ的なPRを得意とする。