リアルタイムでデジタルサイネージに配信
—ビデオワイヤーは、位置情報を活用したビデオリリースの配信にも取り組まれています。こうした新しいテクノロジーを次々と導入される狙いはどこにあるのでしょうか。
杉浦:通常のPRはニュースリリースをターゲットが触れているメディアに配布して、記事にしてもらえれば届くという構造でした。ただ、これだけターゲティングの精度を高められるテクノロジーやデバイスが出てくると、PRも新しい形に進化せざるを得ないと思います。
日本全国の老若男女に余すことなくニュースを配信したいという企業は、ほんの一握りしかいないと思います。私たちはコミュニケーションのテクノロジーを活用して、企業が伝えたいと思っている人たちに、ピンポイントで情報を届けていく必要があると考えているのです。
穴原:PRはニュースの鮮度が大切だと思うのですが、デジタルサイネージはリアルタイムに配信できるという点でも従来の広告に比べて優位性があると思います。インターネット広告と同じ仕組みで、屋外のデジタルサイネージに広告が掲載できるというイメージですね。
—リアルタイムとは、最短でどれくらいの期間で配信できるのですか?
穴原:動画が完成し、入稿次第すぐに流すことができます。通常の屋外広告だと、2週間前に入稿締切がある感じですよね。
杉浦:それだとニュースとしては無理ですね。ビデオリリースであれば、企業が午前中に記者発表会をして、午後に編集を終え、夕方に流すこともできます。消費者が見ても、ニュース性の高い価値ある情報をすばやく配信できるのが「外テレ」の良いところ。ビデオリリースとの相性もいいですね。
—なるほど。インターネットのニュースメディアと変わらないスピード感で配信できるというわけですね。最近、増えている活用法はありますか?
穴原:最近は広告業界全体で、“10代後半から20代前半の若年層にマス広告が届きづらい”という課題があると思いますが、そうしたニーズにもデジタルサイネージであれば応えられます。テレビを持っていない、新聞も取らない、雑誌も読まない、ラジオなんて聞いたこともない人たちに対して、デジタルサイネージ・ネットワークを活用すれば1日の行動特性に合わせたプランニングをしていただけます。
杉浦:若年層向けだと、どういったロケーションがありますか?
穴原:まずは大学の中。生協やラウンジのディスプレイですよね。午後は自動車教習所、夕方はカフェ、夜はカラオケ店や居酒屋なんて、良いんじゃないでしょうか。
—最後に、今後の展望についてお聞かせください。
杉浦:「外テレ」も含め、新しい戦略をどんどん推し進め、より精度の高いターゲティングとPRを実現させていきます。
穴原:私たちはデジタルサイネージの“スタティックな大型ビジョン”というイメージを変えていきたいと思っています。実現したいのは、インターネット広告の延長にある「デジタルマーケティング」。リアルタイムの情報発信に価値を置いているPR会社のベクトルと提携でき、とてもありがたいことだと思っています。一緒に取り組むことで、デジタルサイネージをスマホなどのパーソナル・デバイスと同等、またはそれ以上に価値のあるメディアにしていきたいと考えています。
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