とにかく手を動かして、物をつくって、行動して、新しい価値をつくっていきたい。
長谷川:それ、僕もわかる気がします。
最後に、牧野さんの野望を聞かせてください。
牧野:辞めるとき、局長に「10年後に博報堂に戻ってきます。そのときは僕の会社が博報堂に買収されるか、僕の会社が博報堂を買収するかのどちらかです」と言ってきたので、頑張らないといけません(笑)。
いま広告業界はまだまだ流動性が低い業界です。そしてビジネスが、割と硬直化しているように思います。企業の抱える課題に対して、テレビCMやグラフィックだけじゃなくて、もっと面白いソリューションがつくれるはずです。そうしたら、広告業界はもっと面白くなると思いますし、そういう会社をつくることにチャレンジしたいですね。
まずはとにかく手を動かして、物をつくって、行動して、新しい価値をつくっていきたいと思います。いまはまだまだ小さいデザイン会社ですが、ゆくゆくは日本を代表するデザイン会社をつくりたいと思います。
今回のおさらい
「自分で何もつくっていないコンプレックス」から抜け出す方法
・「自社事業」を増やす
やりたいことがあるなら、それを事業にする。自社事業のノウハウを活かすことができれば、受託事業の幅も広がる。
・広告会社から独立する
広告会社のビジネスの本質は「代理業」。自分たちで「商品をつくって売る」場合、0からルールづくりが必要になるので時間がかかる。
・とにかく手を動かし、モノをつくる
たとえ失敗したとしても、何をやっても自分の糧になる。やりたいことをやって失敗したのなら幸せ。
長谷川メモ
糸井重里さんにも言われた言葉、「長谷川さんが考えた“元カレがサンタクロース”という質屋のコピーも、たしかにすごいかもしれないけれど、本当はその仕事を考えた人のほうがすごいですよね」。自社事業をしていないコンプレックスは僕にもあります。ですが、何をとっかかりにすればいいのかわかりません…。そんなとき「世界を変えるのはコピーライターじゃなくてクライアントですよ」という牧野さんに言われた言葉で、少しラクになりました。クライアントさんと一緒に、広告でなくサービスをつくるとしたら何がいいかなと考えると、楽しくなってきます。
次回予告
コピーライター長谷川哲士、独立してから1カ月と5日経過。次回もお楽しみに~。
長谷川さんに加え、藤本宗将さん(電通)・眞鍋海里さん(BBDO J WEST)の3名を講師として、媒体、コンテンツを問わず機能し、拡散していくクリエイティブの在り方について学び、今の時代に「コピーライター」として生き残る術を考える「コピーライター養成講座拡散コース」を開講しています。
※詳細はこちら