本当はアイドルになりたかった!?
中村:曲と歌詞はどっちが先にできるんですか?
カネコ:基本的には歌詞からです。曲に付けるのが苦手です。
権八:歌詞に節を付けるのは得意ですか?
中村:素人的には、そのほうが難易度高そうですけど。
カネコ:どちらかというと、そちらの方が。私は字余りがすごく多いです。
中村:でも、言いたいことはハッキリしてるから字余りだけど頑張って入れちゃうみたいな。
カネコ:入れちゃうか、どうにか同じことを言ってるように言葉を短くしちゃう。
権八:あと、割と言葉を繰り返すじゃないですか。「僕たち人間、あぁ人間、あぁ、人間」と人間を繰り返して。
カネコ:歌詞は、歌詞である以前に詩であってほしくて。詩である必要があるなと思っていて。繰り返す詩って、繰り返すごとに意味が深くなる感じがあって。そういう詩が本当に大好きだから、今はそれにハマっています。
澤本:1970年代ぐらいのフォークソングに近いよね。僕の大好きなザ・フォーククルセダーズというグループに、北山修先生という大天才がいるんですけど、脈々たるフォークの歌詞。詩がきちんとしているというのを今やってる感じがいいと思う。
カネコ:うれしいです。
澤本:さっき聞いた「銀河に乗って」はフォークじゃないでしょ。あれはアレンジャーの人が変わったんですか?
カネコ:楽器のメンバーは「来世はアイドル」のファーストアルバムと変わってないんですけど、初めてアレンジャーの方を入れて、その方が小さいピコピコ、シュワーという音を夜な夜な入れてくれて、ああなったという。
澤本:僕はあのアレンジがいいと思っていて。全部フォークでやっちゃうとフォークのジャンルの人になっちゃうけど、あれを聞くとフォークの人に聞こえないから。そういうのもたまにやっていただいたほうがいいなと。
カネコ:うんうん。楽しいんですよ、ライブも。あの曲だけギターを持たないで歌うんですけど、楽しい。踊ったりできるから。
澤本:PVで踊りたいんだよね。カネコさんって本当はアイドルになりたかったんでしょ?
カネコ:もし自分が小学生だったらハロー!プロジェクトのオーディションを受けるのになってずっと思ってます。小学5年生だったら受けますね。でも、22歳なんであきらめました(笑)。
澤本:アイドルは誰が好きなんでしたっけ?
カネコ:ハロー!プロジェクトが好きなんですけど、全然そうじゃないアイドルだとキャンディーズがめっちゃ好きで。
権八:キャンディーズって、あの?
カネコ:大好きです。あと麻丘めぐみさんが好きです。
澤本:麻丘めぐみって70年代だから。「わたしの彼は左きき」。
権八:そういうのはなんで? お父さん、お母さんの影響があるの? 兄弟は?
カネコ:お姉ちゃんが6つ上でいますね。でも、おとうもおかあもお姉ちゃんも音楽は全然知らないというか、あまり聞かない人で。なんでこういうのが好きになったんですかね?
権八:知らないよ(笑)。自分でネットで調べて見たり、聞いたり?
カネコ:そうですね。ピンクレディーは小さい頃にやっていたNHKのアニメで「S・O・S」が使われていたんですよ。小さいときにその曲が大好きで、たぶんそれを中学、高校生ぐらいのときにネットで原曲を聞いてみようと思って、聞いたら超かっこよくてハマっちゃった。キャンディーズ、ピンクレディー、麻丘めぐみさんを聞くようになったのは、たぶんそこからですね。
澤本:じゃあ基本、ネットで検索して聞いてる感じ?
カネコ:そうなんですよ。キャンディーズは今はCDを持ってるんですけど、当時はネットでかわいいなって。歌もうまいし、詩も素晴らしいし、この感じは何なんだろうなってずっと思いながら聞いてましたね。
澤本:それがファーストアルバムの「来世はアイドル」というタイトルになってる?
カネコ:そこに近い気持ちはあります。
澤本:来世でいいんですか?
カネコ:来世でいいです(笑)。
中村:残念ながらお時間です。来週はカネコアヤノさん<後編>をお送りします。みなさんの質問やお便り、何でも構いませんのでドシドシくださいませ。メールアドレスはsuguowa@tfm.co.jp。また、「すぐおわ」Facebookページにコメントを書いていただいたものもお便りとみなして、どんどん読んでいきます!
<後編はこちら>
構成・文 廣田喜昭