言葉のセンスは漫画『引き潮』で磨かれた?
澤本:すごい、目の前で「おじさんに興味ない」って(笑)。
権八:連呼していただいて(笑)。
澤本:何十回言われたろう(笑)。
カネコ:汗が・・・。
権八:汗だくで熱唱していただきました。
中村:めちゃくちゃよかったですね!
澤本:とてもよかった。
権八:1回目失敗して(笑)。
中村:聞いてるほうは失敗したことはよくわからないんだけど、カネコさんがギャーッと言い出すみたいな。
権八:曲もいいけど、見守る感じがね。今度こそ頑張れみたいな。
澤本:自分の子どもの学芸会を見ているような(笑)。ドキドキしながら。
カネコ:ですよね、ほんとに・・・(笑)。
権八:歌詞を作品として書いているというか。何か、音楽以外でもこういう小説好きだったなど、そんなことがあったりなかったりするんでしょうか? 非常に言葉のチョイスがいい、よすぎる。
澤本:いいよね。
カネコ:うれしい。小説は恥ずかしいぐらい読まなくて。漫画は小さいときからよく読んでました。「いましろたかし」という人が好きです。
権八:何か聞いたことがあるような、ないような。高城剛ではなく…。
中村:ハイパーメディアクリエーターではない(笑)。
カネコ:『引き潮』という作品があって、トンちゃんというのが出てきて、それが好きなんですよ。
権八:トンちゃんというのは近所に住んでる誰か?(笑)
カネコ:熊の話なんですけど、人間味にあふれていて。人間の虚無な感じで、「僕死にたい」っていきなり言い出したり、本当にかわいい熊なんですよ。キョロッとしてて、めっちゃ強くて、最初のほうは「人生最高」みたいな感じなんだけど、あるところでちょっと鬱っぽくなっちゃって、暗い洞窟みたいなところで体育座りして、「トンちゃん死にたい」って言い出して。不細工なキャラクターで、人間の親友に「トンちゃんそんなこと言わないでよ」って言われるみたいな。励まし合ったりする・・・だけの漫画。
一同:笑
権八:だいぶ熱く語ってくれたんだけど(笑)。カネコさんの歌詞を見てると、ここすごいなってところいっぱいあるじゃないですか。たとえば「週明け」という曲の中で「私だけをみてればいいのに 世界がひろすぎて 退屈な月曜日 壊すのはこわいから 綺麗な景色を 信じて暮らしてる きっと これからも とりあえず なにか食べよう」。後半のほうでも「とりあえず 今日は眠ろう 鼻歌まじりで 君のすきな歌を 歌っておもいだす 口の中のうごき」というところがあって、ぎょっとしたわけですよ。
カネコ:わー、うれしい。
権八:何言ってるんだろうって。すごい。これ書けないですよ。
カネコ:うれしいです。この曲、大好きなんです。自分でも詞はめっちゃ好きで。
澤本:すごいよ。
権八:よくこういうの思いつくなっていうか。聞かれても困ると思うけど。