オランダのデザイン界を代表する Experimental Jetset 、日本の90年代ポップカルチャーに受けた影響を語る

日本のクライアントのための仕事「ジョン&ポール&リンゴ&ジョージ」が代表作に

また、日本の方々はいつも私たちに好意的なので感謝しています。1996年~1997年頃、アムステルダムのギャラリーオープニングで奈良美智さんに偶然お会いしました。そのあと奈良さんが河崎政芳さんを紹介してくれて、河崎さんに自身のレーベル、2K by GinghamのTシャツをデザインしてほしいと頼まれました。それがきっかけで、1998年から河崎さんにTシャツをデザインしています。実は、2001年に作ったTシャツ(「ジョン&ポール&リンゴ&ジョージ」)で、私たちのことを知った人たちがとても多いのです。つまり、日本のレーベルのためにデザインしたTシャツが、今では私たちの代表作のひとつになっている。

いくつかの日本企業(GAS、ユニクロなど)とも長年仕事をしています。また、これまで多くの雑誌が私たちの特集を組んでくれました(『アイデア』『+81』『Composite』『流行通信』『Studio Voice』ほか)。最近では、マッシュホールディングズのロゴを手がけました。このプロジェクトで一番嬉しかったのが、菅付雅信氏を通じて、この仕事がピチカート・ファイブとつながっていたことです!(編集部注:共にマッシュホールディングスのロゴを手掛けた菅付氏はかつてピチカート・ファイブと数々の仕事を共にしてきた。CIについてのインタビューはこちら

私たちの原点の一つと言えるほど初期に影響を受けた日本のポップカルチャーに、今になって貢献できてきたとも言えます。いろんなものがつながり、ひとつの円環としてつながった感がある。とても感慨深いです。


Experimental Jetset
アムステルダムを拠点とするグラフィックデザインスタジオ。1997年にマリエケ・ストーク、アーウィン・ブリンカーズ、ダニー・ヴァン・デン・ダンケンの3人が設立。印刷物および空間インスタレーションを中心に、アムステルダム市立美術館、ポンピドゥーセンター、Dutch Post Group、ホイットニー美術館などのクライアントを持つ。2015年、Roma Publicationsから作品集『Statement and Counter-Statement: Notes on Experimental Jetset』を刊行。

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