事務所に黙って勝手にLINEスタンプをつくったら怒られた。
長谷川:おふたりは事務所に所属されているんですよね。事務所は、イラストや漫画などの個人活動を許してくれているんですか?
田中:僕はいま、グレープカンパニーという、サンドウィッチマンさんが立ち上げた事務所に所属しているのですが、そこは吉本に比べて規模が小さく、所属芸人も30組くらいです。僕は漫画の原稿も事務所で描いているし、そのあたりは理解してもらっています。
ネゴシックス:僕は、事務所に黙って勝手にLINEスタンプをつくったら、「法務部の者だけど」って大人8人くらいに囲まれましたよ(笑)。
長谷川:独立したいとは思わないんですか?
ネゴシックス:たしかに、僕は事務所や会社は必要ないかもしれないですね。一人でもいいかな。
長谷川:芸人さんって、月々の給料は固定ではなく歩合制なんですよね。そういう意味では、フリーランスと同じですね。
なるべく同じ畑から情報収集しない。
ネゴシックス:ほんとね、お笑い芸人は苦しんでいるやつら、多いですよ。面白いやつ、変なやつはいっぱいいるのに、世に出にくくなっている。お笑いって、今はお金になりにくいのかな。
田中:そもそも単価が安いですし、今はアイドルやYouTuberなど、いろいろな人がお笑いをできるようになってしまいましたからね。見る人の選択肢が増えたのに、お笑い芸人の人口も増えていて、ますます世に出にくくなってしまう。
でも、漫画や絵は、欲しいと言ってくれる人が10万人いたら、生活できるんですよね。
ネゴシックス:みんな、ライブやテレビに出ないと!という考えで頭がいっぱいだからもったいないですよね。よく、街でチケットを売っている芸人たち、いるじゃないですか。チケットが売れないなら、別にライブで発信しなくてもよくない?と僕は思います。例えば、スマホから「ちわす」とか言って動画をアップしたりもできるんじゃないかって。
田中:僕も、普段からなるべく同じ畑から情報収集せんとこう、と意識しています。お笑いより、絵とか舞台を見ています。表現の仕方って、たくさんあるんですよね。なぜ自分は今まで漫才じゃなきゃだめだと思ってたんだろう、と実感しますね。
ネゴシックス:お笑いで売れなきゃいけないって思い込んでいるのが悲しいよね。僕は、これじゃなきゃだめだ!って思わないですね。お笑いのネタでしかお客さんと関われないのは嫌だ。何でもいいような気がする。それで、僕のやることを好きになってくれる人が増えれば。
田中:お笑いとかイラストとか、そういうジャンルではなく、ネゴシックスというブランドですね。