なぜイノベーションがサンフランシスコで生まれるのか?ベイエリアの通勤事情に起業家精神の土壌をみる。

【前回】「日本で暮らす家族のために、アプリつくりました。」はこちら

3年ほど前にサンフランシスコからベイブリッジを渡ったイーストベイと呼ばれるエリアに引っ越しました。それまではサンフランシスコでも若者に人気のミッションと呼ばれるエリアに住んでいましたが、家賃の高騰や子育て環境を鑑みて少し郊外へと移ることにしました。

イーストベイ (East Bay) は文字通りサンフランシスコからみてEast、湾を挟んで東側に位置するエリアで、アニメーション映画で有名なピクサーがあるエメリービル、全米でも指折りの名門、カリフォルニア大学バークレー校(通称 UC Berkeley)があるバークレー、メジャーリーグのアスレチックス(最近では松井秀喜選手がプレーしていた)が本拠地とするオークランドなどから成り立っているエリアです。近年では高級電気自動車で有名なテスラモーターズの工場や、音楽ストリーミングサービスのPandora、写真アプリのVSCOなど数多くのスタートアップ企業も進出しています。数ヶ月前にはオンデマンド配車サービスのUberがオークランドで長年空き家になっていた巨大ビルを購入したことも話題になりました。(ちなみに観光で有名なゴールデンゲートブリッジを北に渡った地域はノースベイ。シリコンバレーがある南はサウスベイ。この3つとサンフランシスコをあわせてベイエリアと呼ばれています。)

アメリカの郊外というと、一般的にはどこへいってもチェーン系の同じお店しかなく、コピペしたように街並みから何もかも全てが画一的ですが(最近は日本の郊外も同じ道を辿っているのではと危惧しています。どうにか味のある小さな商店街を守れないものですかね。)ここはヒッピー文化発祥の街で全米一リベラルといわれるバークレーを中心に、個性を前面に出したカルチャーが根付いています。日本でも美食家には名の知れた地産地消やオーガニックムーブメントのパイオニアの「シェ・パニース」をはじめとしたグルメなレストランや、「アメーバミュージック」をはじめとした古き良きレコードショップなども数多く存在し、一方で手つかずの自然もすぐそばにあります。(家の裏に野生のアライグマやスカンク、鹿なんかがよく出没します。ゴミを出すときは要注意です。)おまけに暖かい。サンフランシスコとはたった15キロほどしか離れていませんが、特に夏場では気温が5度は違います。

サンフランシスコを包む厚い霧。霧は寒流が走る西からやってきます。霧の奥に見える対岸がイーストベイ。
photo by David Yu

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川島 高(アートディレクター)
川島 高(アートディレクター)

1981年生まれ。慶應義塾大学卒業後、2004年に渡米。文化庁が主催する新進芸術家海外研修員として、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) にてメディアアート修士課程修了。アーティストとして作家活動を行う傍ら、アートディレクターとしてAKQAなどの広告代理店にて活動。日本人として初めてGoogleのクリエイティブラボに参画。サンフランシスコ在住。

Facebook: https://www.facebook.com/takashi.kawashima
Twitter: https://twitter.com/kawashima_san

川島 高(アートディレクター)

1981年生まれ。慶應義塾大学卒業後、2004年に渡米。文化庁が主催する新進芸術家海外研修員として、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) にてメディアアート修士課程修了。アーティストとして作家活動を行う傍ら、アートディレクターとしてAKQAなどの広告代理店にて活動。日本人として初めてGoogleのクリエイティブラボに参画。サンフランシスコ在住。

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