グランジで実現しなかった没ネタがラジオCMに?
澤本:今聞くと、だいぶ緊張してますね。
遠山:最初はどうしていいかわからなくて。変なことを聞いて、「あれ、こいつで大丈夫なの?」と思われたらどうしようとか、自分にストッパーをかけちゃって。
権八:そうだよね。今聞いた部分は、ずっと説明を聞いた最後のほうだったわけですね。
澤本:こういう質疑応答を繰り返しながらやっていて。
中村:面白かったですね~。はじめのほうで「そうっすね~」と(笑)。
遠山:「そうっすね」の3回に2回はわかってないですからね(笑)。わからないで、「そうっすね」と言ってますから。
権八:これはちょっと楽しみだな。
中村:「お風呂」や「料理」などのテーマで20秒、40秒、60秒をそれぞれ4本。このCM原稿の〆切はこのオリエンの2週間後と。実際、どうやって企画を詰めていったんですか? まさにコントを書くみたいな感じですか?
遠山:僕はそうでしたね。普段からグランジのネタは各々が書いていて。僕が書いて、次は五明が書いて、みたいなスタイルなんですけど、その延長と言いますか。僕は歩きながら考え事をしたいタイプなので、電車で帰れるところを乗らずに歩きながら、何となく東京ガスとお風呂というワード、驚きなのか、温かみなのかわかりませんが、そういうワードを浮かべながらぼんやり考えていた感じですね。
五明:かっこいいね(笑)。
遠山:一応ね、CMプランナーだから。
五明:おめでとうございます。
遠山:ありがとうございます。
中村:五明さんは?
五明:僕は遠山がラジオをやってるので、結構暇で、ずっと家にいるんですよ。家でコントを考えるのと一緒で、それで最後の一言を東京ガスさんに結び付けるようなものを何個か考えて、これしっくりくるかなと。パズルのようで面白かったです。
遠山:確かに、五明は楽しそうだったよね。前向きな感じで、「これめっちゃありがたいわ、こんなお仕事いただいて」という感じで。
五明:楽しかったです。あの頃は僕イキイキしてたんで。
権八:今はしてないんだ(笑)!
遠山:僕はラジオの審査をしたときに、たくさん聞かせてもらってるんですよ。
中村:インプットがあるんですね。
遠山:だから、「あの企業の面白かったCM」みたいなのを一回想像して、似ちゃうとまずいから、別のところにいこうとか。あと、もしかしたら、この原稿が来年の審査会に出て、みんなに聞かれるかもしれないとも思っちゃって。それは怖かったですね。
澤本:いや、聞かれますよ。
遠山:想像したんですよ。澤本さんが眉をしかめて、全然笑ってないとか。権八さんを見たら、やっぱりエロ動画を見ていて。
権八:見てねーわ!!
一同:笑
遠山:そんなことを思いつつ、ちょっと恐れながらも頑張ってみようかなという。
五明:僕は今までやろうとしてできなかったグランジのネタのストックが結構貯まっていて。それが意外と使えたので、ありがたかったです。
権八:そうでしょうね。
澤本:そういうものかもしれないですね。
中村:実際にこの後、プレゼンをしました。しかもコンペ形式。コンペとは競合ですね。電通のプランナーチームと戦うわけですね。
遠山:めっちゃ怖かった。
澤本:ふつうCMをつくるときは、クリエイティブディレクターが一回原稿を見て、「ここを直せ」と言うじゃない。でも今回は、それをやらなかった。
権八:もうフリーハンドで。
中村:ガチンコですね。
澤本:というのは、本当にやばかったら修正しようと思って、途中で一回送ってもらったら、できてるのよ。五明さんは異常な数を送ってきたもん。
五明:楽しくて、楽しくて。
一同:笑