グランジがラジオCMを制作したら、22本中10本が採用された!(ゲスト:遠山大輔さん、五明拓弥さん)【後編】

遠山さんがつくったラジオCM「お風呂物語」篇

中村:続けて、来ました真打。遠山さん企画のラジオCM。「お風呂物語」篇を聞いてもらいましょう。どうぞ。

−遠山さんがつくった東京ガスのラジオCM「家族の絆・お風呂物語」篇−

http://tv.tokyo-gas.co.jp/watch/911701624002

女の子:もう出る~!

お母さん:はい、じゃあ髪の毛乾かすわよ。

複数の男:お疲れしたー。

シャワー:はー、疲れたわー。

浴槽:今日もいい感じに疲れとったねー、シャワーくん。

シャワー:いやいや、お前のそのどっしり感も頼もしいよ、浴槽。それに比べて。

カラン:なんですか?

シャワー:あー、聞こえちゃったか。

カラン:なんですか?

シャワー:ただのかっこつけ、名前が~。

カラン:カランです。日本語で言うところの蛇口です。なんですか?

シャワー:うるせーよ。

栓:もうやめてよー。

シャワー:てめーはすっこんでろ、浴槽の栓。

追い焚き:いい加減にしろ!

シャワー:この声は・・・。

追い焚き:俺達は誰か1人じゃダメなんだ。全員揃って初めてお風呂だろう。もう一度1つになってやろうぜ。フンッ。

複数の男:お、追い焚き~。

追い焚き:ほら、今度はお父さん来るぞ。

お父さん:は~、よいしょっと。あ~、いい湯だなぁ。

シャワー:カラン、さっきはごめんね。

カラン:こちらこそ。

複数の男:これからも力を合わせてみんなを温めよう、東京ガス。

澤本:どうですか?

遠山:緊張しましたね、聞くのも…。

権八:いいじゃない、かわいくて。

遠山:どうでしたか?

権八:あの…、あ、その…、なんていうの…。よかったよ。

一同:

遠山:そんなあからさまに言葉に詰まることってあります(笑)?

権八:東京ガスはお風呂で家族のための、というイメージがありますけど、お風呂みんなが家族みたいなこの感じ、逆転の発想というか。

遠山:褒めてくれるねぇ。絞りだしてくれるねぇ。

権八:お風呂のいろいろなキャラクターがそういう温かいものに感じられて。かわいらしくてよかったですよ。

澤本:これはたぶん、プランナーは書かないと思うんですよ。結構、勢いじゃないですか。こういうのもあっていいと思うんですよね。ナレーターがチョコレートプラネットの松尾くんやダンビラムーチョさん。お父さんの声がシューレスジョーさん。自分のお知り合いを総動員してますね。

遠山:そうですね。カランってあまり使わないから、シャワーはカランに対して嫌味を言うキャラクターで、松尾が普段そういうコントをチョコレートプラネットでやっているから、パッと松尾が浮かんで。カランのほうは実直に生きていて、いやらしさがないと言うか。配役は僕の中で100%の奴が見つかったと思ってるんですけど。

澤本:うまく役者がハマってる感じがしましたよ。撮ってるとき楽しそうだったもんね。

遠山:そうですね。これは2回ぐらいでOKが出て。

中村:60秒ですよね? 尺の調整が大変そうですけどね。

遠山:一回目が結構出ちゃったんですけど、それも森田さんがパーッと入ってきて、「じゃあ、ここのセリフをこうしましょう」と言ってくれて、スムーズにいきました。僕が思っていた通りのものになったかなと思います。

権八:オチをつけたくなるのかなと思って聞いてたけど、特にないじゃない。ないから悪いわけじゃなくて。お父さんが来て、何かあるぞと思っても特になくて、お父さんがゆっくり入って温まって、「カランくん今日ごめんね」みたいな話をして終わる。あれがいいよね。

遠山:そうなんですか?

澤本:僕らが原稿を直すと、「これちゃんと最後にオチつけようか」となるんですよ。お父さんが滑るとか、そうなるけど、勢いで終わっちゃってるから。

権八:不思議な後味というか。

澤本:新鮮なんです。だから、違う方々が参加して好きにやると意外とこういう全く新しいものができるんだなという気がしますよ。

遠山:全然そんなことを考えずにやりましたけど。

五明:タナボタもタナボタだな。

一同:

次ページ 「今後、CMプランナーのライバルはお笑い芸人になる?」へ続く

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