【前回記事】「「入社4年目の妊娠で、キャリアに不安を抱くも…」 博報堂 矢野真理子さん」はこちら
切っても切れない「ものづくり」との縁
——-天野さんのこれまでのキャリアについて教えてください。
最初に就職したのは、大学4年生の時にインターンでお世話になった会社でした。その後、デジタルガレージを経て、アイ・エム・ジェイでは7年勤めてアートディレクターにキャリアアップしました。一緒に仕事をしていた元編集者の方の影響で、デザインだけでなく言葉の勉強もしたいと思い、宣伝会議のコピーライター養成講座に通い始めたのもその頃でしたね。その後、人材紹介会社のマスメディアンに登録して、博報堂アイ・スタジオを紹介してもらい、今にいたります。早いもので、入社して10年目です。
現在は、主にアートディレクションをしています。プロモーションの方向を定めて、それを制作物に落とし込むという仕事です。ターゲットに提供する情報をデザインやUIに反映させたり、Webと連動させたり、広告キャンペーンサイトや商品サイトなどデジタルプロモーションに関わっています。直近では、アプリのUI・UX・商材開発にも携わりました。
子どもが生まれてからも、ずっとクリエイターです。いまの会社は、産休後にデザイナーとして復帰したという例はなかったのですが、私の場合は自分がものづくりやデザイン以外の仕事をしている姿が想像できませんでした。当時の上司が女性で理解のある方だったので、体調に合わせた勤務にしてもらうなど、とても相談しやすかったです。周りに支えられて続けてこられたと思います。
——お子さんが生まれてから、働き方は変わりましたか。
朝型になりましたね。早めに出社して、夕方の保育園のお迎えに間に合うギリギリまで仕事をしています。時間に限りがあるので、以前より計画的に働くようになりました。会社に復帰したのが、保育園の都合もあって生まれて5、6カ月目と早かったので、よく病気をして、保育園からの呼び出しがありました。いざというときのために2人体制を組んでもらったり、少しずつ計画を進めたり、仕事のやり方を工夫していました。ただ、みんなが頑張って働いているなかで、途中で抜けたり、最後までやりきれなかったりすることに罪悪感もありました。今は子どもが6歳になって呼び出しの回数も減り、以前より安心して働くことができています。このように働けるのは、やはり周囲の応援とサポートのおかげだと思います。
会社では、産休・育休の制度は充実していますし、出産前の時期には時間を短縮して働くこともできました。お正月にはリフレッシュ休暇を年末年始の休暇と合わせて10日間ほどもらい、子どもとゆっくり過ごすことができました。社内にも先輩ママさんがいるので、みんなでランチに行きながら、情報共有ができるのもいい点です。年に1回全社員で運動会があり、それに家族や子どもも参加ができるので、娘も参加させてもらいました。同年代の友達が新しくできたり、社員のみなさんに遊んでもらったりして、楽しかったようで、「次はいつ?いつ?」と聞いてきます(笑)。今の有楽町に移転する際にも新オフィスの柱塗りイベントがあったのですが、親子そろって楽しめる社内イベントがあるのは、嬉しいですね。
——仕事に子育てと、忙しい毎日を送っていますが、自分へのご褒美はありますか。
昔はマウンテンバイクに乗ったり、キャンプに行ったりすることが好きでしたが、今は家の収納やインテリアについて考えたり、作ったりするDIYが趣味ですね。子どもが寝ている間や、休日など子どもと一緒に家にいる時間にできるのでおすすめです。100円ショップに行って、子どもと一緒に素材探しからして、作ったりもします。やっぱり、ものづくりが好きなんだと思います。子どもがいる時間にできることなので、おすすめですね。
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天野 一記(あまの・かずき)
1999年、Webデザイナーとしてデジタルガレージに入社。 2000年、アイ・エム・ジェイ入社。2005年、博報堂アイ・スタジオ入社。 クリエイティブ部配属、アートディレクター。2009年、出産。 2010年、育休から復帰(デザイン職社員復帰第一号)。 主な仕事として、ブランドサイトリニューアル(AD・UIデザイン・UX調査)や、サービス運営 / アプリケーション開発(AD・UIデザイン・UX調査)を行う。