異業種の4社がタッグ 新ブランド立ち上げを追う

全品をバスルームに揃えたくなるデザイン

——ネーミングやパッケージはどのように決まっていったのでしょう。

河野 貴伸(こうの・たかのぶ)氏
フラクタ代表取締役

河野:「Depth」はゼロベースで考えているがゆえに、これまでのブランド力に頼らずに、真に中身を追求していかなくてはいけない。中身の開発に時間をかけ、そこで目指すべき方向性の議論を尽くしたので、その過程でパッケージなどはある程度、方向性も自然と見えていきましたね。

染谷:先ほど、コンプレックス商材という話が出ましたが、やはり私たちメンバーの間には育毛商材は使う時に後ろめたさを感じてしまうよね、という思いが共通にありました。そこで彼女が家に泊まりに来ても、慌ててバスルームを片付けなくてもいい。むしろ使っていることを自慢したくなるようなシンプルでかっこいいパッケージやネーミングが絶対条件という方向性で全員の意識として一致していきました。

川嶋:ヘアスタイルでお客さまに自信を持たせるのが僕たち、美容師の仕事。「Depth」も、まさに使う人に自信を持ってもらえるような商品にしたい、と考えていて、そこで、コンプレックスをデザインでひっくり返すような商品がつくりたいねと話していました。中身の触感、香り、パッケージの色や形など、五感に響くようなデザインをとにかく根気強く目指しました。実は、パッケージに使用している色も、街を歩いている中でやっと「これだ!」と見つけた色をスマホで撮影して、河野さんに送ったりとか…本当に苦労しました。

河野:これまでにないブランドをつくろうと考えていたので、パッケージの制作段階では3Dプリンターも活用し、イメージを具体化し共有することをしてきました。

「Depth」の商品ラインナップ。シンプルでかっこいいイメージを目指したパッケージ。制作段階では3Dプリンタも活用。プロジェクトメンバーのイメージを迅速に可視化する取り組みを行った。

——ブランドを薦める美容師の方が、ここまで入れ込んでつくった商品だとお客さまに伝わる熱量も違いますよね。

河野:そうですね。今回は、ブランドについて情報を発信する人というのが、とても大事だと思っています。人に教えたくなるくらい、かっこいいブランドに仕上がっていると思います。

染谷:最終的に我々が求めているのはQOL、生活の質をいかに高めるか、もっと言うと、かっこいい大人、おじさん、場合によってはおじいさんも入ると思いますが、そういう人を増やしていきたいですね。


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