渋谷ロフトとサントリーのタイアップで話題を広めるエンジンとなったのは、ロフトが配信するスマートフォン向けアプリ「LOFTアプリ」だった。
「LOFTアプリ」は、1月末時点での累計ダウンロードが160万回。月間利用者(MAU)率は平均で40%を超える。63%に達した月もあるといい、この数字はソーシャルアプリのMAU率にも比肩する。1日の平均来訪者は約4~10万人、1アクセスあたりの平均閲覧ページ数は12ページに上る。
「LOFTアプリ」では、イベント開催の案内のほか、「ルジェ」の「フルーツジャーカクテル」のレシピを分かりやすく紹介。実際にジャーに入ったカクテルの写真を載せることで来店意欲を喚起した。
異業種との化学反応を起こしたい
ロフトではサントリー以外にも多くの企業とタイアッププロモーションを実施している。その中でも異色なのは、国内最大手のケーブルテレビ「J:COM」とタイアップしたものだ。従来ならロフトの店頭にはそぐわないサービスだが、「新生活」を共通項とすることで実現につながった。
新生活を迎える人のために、ケーブルテレビの入会案内をしながら、ロフトおすすめの雑貨やケーブルインターネットZAQのキャラクター「ざっくぅ」のグッズを合わせて販売。これがヒットとなり、総計で17万個を売り上げる結果となった。「異業種とタイアップすると、こうした化学反応を起こせると考えています」と倉田氏は振り返る。
異業種ではほかに、KDDIの有料会員制サービス「auスマートパス」で2015年10月末の「ハロウィン」にイベントを実施した。店舗のある渋谷エリアはハロウィンの賑わいがメディアにも取り上げられるほどだったが、「渋谷ロフト」にKDDIが用意した「au スマートパス ハロウィン城写真館」には1万2000人が来場。参加者は思い思いに写真撮影を楽しんだ上、前述の「ざっくぅ」も登場して会場を盛り上げた。さらに「auスマートパス」会員限定で、ロフト店舗で使える10%割引のクーポンも配信した。
ロフト店頭を活用したプロモーションのメリットは、「J:COM」のように新しい顧客層との接点になるばかりでなく、サントリーのように商品活用の提案を行い、その反響を別の会場にも広げて活用できることにある。KDDIのように、エリアが盛り上がるイベントに合わせて、人が滞留できるポイントを設ければ、ソーシャルメディアへの投稿も相まって、話題の発信源になることもできるだろう。
一方的な広告がますます効きづらくなっている中、「ロフトをメディアとして」活用する店頭プロモーションで、実際の顧客の顔を目の当たりにしながらコミュニケーションを行うというのも一手だ。
ロフトではタイアッププロモーションのほかにも蓄積したノウハウとネットワークを活かし、顧客企業のキャラクターやロゴなどをモチーフにした商品開発や企業間の相互送客、アプリを活用した広告、販促品や販売品の企画提案といったB to Bビジネスを幅広く展開している。
「渋谷ロフト」
東京都渋谷区宇田川町21-1
・月間平均来店者数:
約47万人(平日約1万人、休日約2万人)
・月間来店頻度:
2.1回 来店者の男女構成比:女性75%、男性25%
・来店者の平均年齢:
31歳(大型店平均、全国平均は37歳)平均買い上げ率:約47%
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