思春期の少女が抱える心や身体の悩みは、“理想的な相談相手”であるはずの母親にすら話せないケースも少なくない、とてもデリケートなもの。でも、子どもの頃から大切にしてきたぬいぐるみになら、そんな胸の内も打ち明けられる……。
ワコールが15日に公開した企業メッセージ動画「Her True Stories」では、そんなストーリーが紡がれている。
動画は、思春期にさしかかった3人の少女にスポットを当て、「喋る不思議なぬいぐるみ」が彼女たちの本心を引き出していく過程を追ったドキュメンタリー形式。学校での話、家族の話、恋愛の話–心の奥に秘めた悩みや思いを少しずつ、ぬいぐるみに打ち明けていく。実は、ぬいぐるみの声の主はそれぞれの母親。ぬいぐるみに内蔵されたスピーカーとつながった別室のマイクを通じて、我が子に語りかけていたのだ。動画の最後には、ぬいぐるみの正体の告白を経て、ぐっと距離が縮まった母娘の姿が写し出される。
スパイスボックスからの自主提案によって実現したという今回の動画。「消費者に真っ向から向き合った企業ブランディング」の実施を計画していたワコールが、複数社へのオリエンを経て、同企画を採用したという。スパイスボックスの担当者は、「思春期や性徴期に向き合うというリーディングカンパニーならではの取り組みに着目し、企画・提案しました。ちょうど、ワコールさん側もこうした取り組みを一層アピールしていきたいと考えていたタイミングだったこともあり、実現に至りました」と話す。
ワコールは、女性の一生に寄り添う「女性共感企業」をビジョンに掲げ、これに基づく商品づくりだけでなく、多岐にわたるCSR活動を展開している。とくに思春期の女の子をサポートする活動には力を入れており、今回の動画は、その活動を通じて得られたファクトを元に企画されたものだ。
「当社は2001年、思春期にあたる小学校高学年から中学生の女の子とその保護者を対象に、身体の成長と下着について学ぶ出張型教室『ツボミスクール』を立ち上げました。過去15年間で8万人以上の親子と向き合う中でわかったのは、思春期の女の子たちの多くが、自分の性徴や身体に対する不安や戸惑い、そこから来る心の悩みを誰にも言えずに抱え込んでしまっているということ。
また、動画の発表に先立ち、子どもを持つ30~49歳の女性518人を対象にスパイスボックスさんと共同で行った調査では、自分が思春期だったときに悩みを相談したかった相手として『母親』と回答した人が75%にのぼったほか、約8割が『思春期の娘と身体や下着についてもっと話すべき』と回答するなど、母娘がより深いコミュニケーションを必要としていることが明らかになりました。思春期の母娘にコミュニケーションをより深めてもらうことで、より幸せな関係を築いてほしい。動画には、そういう思いを込めています」と総合企画室 広報・宣伝部 WEB・CRM企画課の中太寛行さんは話す。
「女性共感企業」としての取り組みにおいて、こうした先進的なテクノロジーを活用したのは今回が初めて。その経緯について中太さんは、「子どもの頃から大切にしてきたぬいぐるみが相手ならば、少女が持つ悩みや心の内を吐露するのではないかという仮説を持ちました。ぬいぐるみを使うことが先に決定しており、ぬいぐるみと人間がどうすれば自然と会話できるようになるかを考えて、今回のようなテクノロジーを採用することにしました。ワコールの企業理念や、我々の思いを皆さまにお伝えするために有効と判断できれば、こうした技術も積極的に活用していきたいと考えています」話した。
スタッフリスト
- 企画制作
- スパイスボックス+太陽企画+TOKYO
- CD+企画
- 庄司真紀
- EPR
- 物延秀
- PR
- 細川修平
- PRプランナー
- 村山秀幸
- データアナリスト
- 春田祐美
- 演出
- 北田一真
- 撮影
- 平野哲郎
- 美術
- aki
- 機構開発
- 河合伶、齋藤秀行
- 編集
- 前田径成
- ミキサー
- 辰巳茜璃
- CAS
- 永原恵太
- 音楽
- thomas suess
- PM
- 田中理乃
- プロダクションアシスタント
- 溝口佳歩
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