株式会社宣伝会議は、月刊『宣伝会議』60周年を記念し、2014年11月にマーケティングの専門誌『100万社のマーケティング』を刊行しました。「デジタル時代の企業と消費者、そして社会の新しい関係づくりを考える」をコンセプトに、理論とケースの2つの柱で企業の規模に関わらず、取り入れられるマーケティング実践の方法論を紹介していく専門誌です。記事の一部は、「アドタイ」でも紹介していきます。
第6号(2016年2月27日発売)が好評発売中です!詳しくは、本誌をご覧ください。
01 セレブも参加、SNSは「手書きの日」で大盛り上がり
Moleskine「HandwritingDay」(米国)
米国ではアメリカ独立宣言に最初に署名をしたジョン・ハンコックの誕生日である1月23日を「手書きの日」としている。クリエイティブ層を中心に人気のあるノートブランド「Moleskine(モレスキン)」では、手書きの日にソーシャルメディアを絡めたキャンペーンを企画した。
その内容は手書きのメモや手紙をモバイルで撮影し、「#HandwritingDay」の「#Moleskine」ハッシュタグをつけてTwitter、Facebook、InstagramなどSNSで投稿するよう呼びかけたというもの。ジョン・ハンコックに対する敬意を込めたキャンペーンだ。この呼びかけに、一流メディアのコラムニスト他、ブルース・ウィルス、デブラ・ミッシングらのセレブリティも参加するなど大きな盛り上がりを見せた。日本でも企業が呼びかけ、国民的なイベントや記念日に盛り上がるキャンペーンは多いが、さすがに歴史あるブランドだけに参加するメンバーも錚々たる顔ぶれだ。
02 “すきま時間”が生まれる電車に注目
L&PM「Ticket Books」(ブラジル)
日本でも活字離れが叫ばれているが、まもなくオリンピック・パラリンピックが開催されるブラジルの読書離れはさらに深刻化。国民一人当たりの年間読書数は平均で2冊と言われている。
この状況を改善しようと、ブラジルの出版社「L&PM」は、1995年のユネスコ総会で制定された「World Book Day(世界本の日、世界図書・著作権デー)」に合わせ、地下鉄の乗車券になる文庫本「Ticket Books」を無料で配布した。ラインナップは、シェイクスピアの『ハムレット』など、10種類。
アナログな施策のようでいて背後にはテクノロジーも活用されている。なんと、この文庫本の表紙にはRFIDが内蔵されており、地下鉄の運賃があらかじめチャージされているというもの。用意した1万冊を電車の利用客に配布した。
日本でも最近は電車内で本や新聞を読む人を見かける機会がすっかり少なくなった。本を読むすきまの時間が生まれる電車の中に着目したことも、このキャンペーンの秀逸なところだ。
03 買い物かごの中身から、相性の良い異性を診断
Tesco「Tesco Valentine’s | Introducing Basket Dating」(英国)
日本でも、今年も一大商戦期となったバレンタインデー。英国の大手スーパーマーケットチェーン「Tesco(テスコ)」も、バレンタインデーに合わせたキャンペーンを企画した。
その内容は、独身で恋人募集中の男女32名をロンドンにある、とある店舗に招待。「金曜日の夜に向けた買い物」というお題を出し、各自に自由に店内をまわり、買い物をしてもらうというもの。その後、各人が買い物かごに入れた多種多様な商品を、心理学者が分析する。
買い物かごの中身から、その人の食の好みや生活習慣、恋愛志向を推察し、買い物かご同士でマッチング。最も気が合うパートナーになりうる人同士で対面してもらうという流れだ。
意気投合したカップルは、その後テスコ主催のディナーに招かれ、バレンタインデートを楽しめる特典もついてきて、まさに至れり尽くせり。さて、買い物かごの中身で、本当に人の相性は見抜けるのか…?企業の遊び心が伝わり、さらにスーパーマーケットならではの多様な品揃えもアピールできる企画だ。
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