ADFEST現地レポート「リアルタイム×データが広告の価値を変える」

タイのパタヤにて、3月16~19日の日程で開催されたADFEST2016。テクノロジーを活用したプロダクトやインタラクティブイベントを数多くプロデュースする、博報堂アイ・スタジオの山本恭裕さんが前半戦/後半戦(この記事です)に分けてレポートします。

前半戦はこちら

執筆者

山本恭裕
博報堂アイ・スタジオ    
インタラクティブプロデューサー/プラナー

1988年生まれ。2015年受賞歴に、電通賞、CodeAward、Spikes、Cannes、Yahooインタラクティブアワード、Webbyなど。主な仕事に、LIVE NEWS FLASH BANNER、Google Vending Machine、TAP WATER RELAY。

 


 

みなさま。サワディーカップ。
博報堂アイ・スタジオの山本です。

4日間のADFESTが終わり、日本に帰ってきました。
毎日30℃を超える灼熱のパタヤから、日本に帰ってきて風邪を引きそうな寒さに、一気に現実の世界に引き戻された感じです。
頭の整理もできてきたので、今日は後半のレポートをお届けします。

グランプリなどの受賞作については、すでに他のニュースサイトやレポートでも紹介されていると思うので、受賞作についての話は少なめにしておいて、個人的に印象に残ったことを中心に書きます。

まずは、最終日に行われたヤングロータスのプレゼンからご紹介します。

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アジアから若手クリエイターが集結!ヤングロータスワークショップ

ピックアップした理由は、自分がヤングロータスのプレゼンターと年齢が近いこともありますが、ぜひ多くの若手クリエイターに見て欲しいので書くことにしました。

まず、ヤングロータスについて説明しておくと、アジア各国の28歳以下のクリエイターが2人1組となって、出題されたブリーフに対して24時間以内に案を作成してプレゼンを行う、若手クリエイターのための大会です。
今年のテーマは「ムエタイ2028」。まだタイ国内でしか多く知られていない、このローカルスポーツを、2028年のオリンピック種目にするにはどうしたら良いか?が今回の課題です。

ムエタイ選手によるデモンストレーションの様子。

これ、すごく難しい課題だなと思いました。
なぜかというと、どこか一つの国での展開ではなく、文化も言語もバラバラな全世界を対象に、ローカルスポーツであるムエタイの魅力を知ってもらう必要があるからです。一見、キックボクシングのようなスポーツなので、そうしたスポーツとの違いも理解してもらわなければなりません。

プレゼンの前日、ヤングロータスの審査員を務めた、博報堂のエグゼクティブクリエイティブディレクター・長谷部守彦さんにお会いしたときに、今回のヤングロータスの所感について話を伺いました。「彼らのアイデアはもちろんだけど、プレゼンにかけるパッションを感じて欲しい」とおっしゃっていましたが、まさにその通り。

全4チーム、プレゼンが熱い!同い年ぐらいの人があの場で、あんなプレゼンができることに、非常に刺激を非常に受けました。
簡単にですが、最終プレゼンに残った4チームのアイデアを紹介します。

最初のプレゼンは上海チーム。

彼女たちのアイデアは、ムエタイのユニフォームや、ムエタイ独特の礼儀作法の動きを、他のオリンピックスポーツに取り入れてプロモーションするというもの。ムエタイ特有の動きを、他のスポーツに置き換えることで、身近に感じでもらうことが狙いです。

2チーム目は、無料Wi-Fiサービスを提供する「May-Fi」。

世界中から多くの観光客が訪れることに目をつけ、空港にWi-Fiゾーンを設置し、Wi-Fiを使う代わりにムエタイについて自身のFacebookに投稿してもらうというアイデアです。
空港に世界中の人が来るという目のつけどころは良いなと思ったのですが、空港には無料W-Fiがあるし、本当に人がそれやるかな?という点で難しそう、と思いました。

3チーム目は、「スポーツは言語がわからないと、見ていても楽しくない」というインサイトから、各国の著名人にムエタイの試合を実況してもらう企画。日本でいうと、松木安太郎さんが実況するイメージですかね。

最後のチームは、タイ王国の国旗を変え、国名も「ムエタイ王国」に変えてしまおうという、“ブッとんだ”アイデアでした。」

プレゼンの結果、聴衆の一般投票によって決まる「オーディエンス賞」、審査員によって選ばれる「ヤングロータス」の2つとも、最初の上海チームが受賞しました。

プレゼンでの盛り上がりもそうですが、ムエタイ特有のスポーティな動きを世界中に効果的に見せることができるアイデアであることが評価されたような気がします。

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