マーケティングオートメーションの導入で注意すべき点
――オンラインからオフラインまで一気通貫で結ばれることで、消費者の気持ちがどこで変化し、最終的に購買になったのかはメーカーにとって価値ある情報ですね。
その通りです。オフライン(店舗)でのデータと、Yahoo!の持つオンラインのデータを結びつけられるのが、インフラからメディアまでを持つソフトバンクの強みです。そこが、4年で500社の顧客から支持を得られた理由だと思います。
このマーケティングオートメーションについては、インターネット広告会社のオプトと弊社で立ち上げた企業のジェネレイトが「GENERATE Marketing Automation」を開発しました。顧客の購買までの行動履歴をスコアリングし、購買に結びついた顧客、来店はしたけど購買には結びつかなかった顧客、来店しなかった顧客などカテゴライズして施策を打てます。来店しなかった顧客には、メールではなくLINEで刺激を与えてみようなど、打ち手のバリエーションが豊富なのです。
――マーケティングオートメーションを導入しようとしても、うまくいかない企業も多いと聞きます。導入においては、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
そうですね。マーケティングオートメーションを導入しようとすると、「顧客データを統合し、整理しなければいけない」と、二の足を踏む企業も多いのですが、まずは来店と売上の数字を結びつけるだけで、成果につなげられます。スモールスタートさせ、成果につながった段階で次のステップにつなげていくといったやり方をとるケースが多いです。
そのためには、競合企業と比較したときにどこが強みになるのか、オウンドメディアへの流入経路の分析など、戦略立案にも我々が踏み込むようになってきました。こうしたデジタルマーケティングのコンサルティング専門の部隊もそろえ、まずは相談レベルの依頼からでも対応できるように、我々の事業も成長しています。
――ソフトバンクというとキャリアの印象が強く、これだけ幅広く企業を支援していることに驚きました。最後に、今後の展望について教えてください。
スマホのWi-fiやGPS機能を使ったジオ・データをマーケティングに活用していきたいと思っています。ユーザーの許可を得た上で、さらに個人を特定しないかたちで、現在地や移動の記録、Webサイトの閲覧履歴、スマホ内におけるアプリの活用状況などを分析し、店に立ち寄りそうなユーザーだけに特典クーポンを配信します。
たとえば、サッカー観戦のためにスタジアムを訪問した顧客だけに、スポーツ関連のグッズをオススメしたり、近隣の学校やカフェを利用する人にのみコンビニのクーポンを配信したりといったこともできます。Wi-Fiスポット数が日本で一番多い通信インフラであるソフトバンクでなければできないことです。今後も、巨大メディアをグループに持ち、かつインフラ事業者でもある強みを生かして企業のデジタルマーケティング活動を統合的に支援していきたいと考えています。
【問い合わせ先】
ソフトバンク株式会社
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