台本があるから、テレビ番組はつまらなくなる!(ゲスト:矢追純一さん)【前編】

前世で矢追さんとユリ・ゲラーさんは兄弟だった?

矢追:はい。夢で見て知ってたと。「お前は前世でおれの兄弟だ」と。

澤本:あ、ご兄弟だったんですね(笑)。

矢追:そう言うんだよ。本当かどうか知らないよ。「入れ入れ」と言われて、「取材班もいいか?」と言ったら、「いい」と。そこでしばらく話をしていたら、「お前何かやってみせてほしいか?」と聞くから、「ほしい」と言ったら、「じゃあ、やってやるから何か金属のものを出せ」と言うんです。そのとき何も持ってないけど、ポケットの中に2、3日前にニューヨークのたばこ屋さんでお土産用に買った、パイプタバコを詰めるやつがあったんですよ。十得ナイフみたいな。「それでいいか」と言ったら、「よしよし。ナイフみたいなほうを、片方をお前が持て。握ってろ」と。もう一方のほうを彼が人差し指でスーッとさすってると、フニャーッと曲がっていって、ポロンと落ちたんですよ。

澤本:目の前でですか?

矢追:えぇ。それをカメラが撮ってたんですね。そのときのカメラマンがそういうこと大嫌いな奴なんですけど、「矢追ちゃん、こいつすごいよ。ずっとアップで1カットで撮ってたから、すり替える暇がない」と。

澤本:編集なしだと。

矢追:だけど、すり替えるも何も同じものはあまり世の中にないんですよ。十得ナイフみたいなものは。それがちゃんと曲がったのが確認できたから、「じゃあすごいんだ、こいつは」と思って。もしかして、そういう能力が誰にでもあるとしたら、これは有効利用したほうがいいから、日本へ連れて行って、科学者に研究してもらおうと思って。「日本に行かないか?」と言ったら、「お前が全部仕切るんだったら行く」と言ってくれたので、よしと。

澤本:へー。

矢追:それであの番組ができたわけ。

権八:先ほどの科学者の方と違って、ギャラやごはんはご用意して。

矢追:そりゃそうですよ。今から考えると安かったですけどね。そのとき、ユリ・ゲラーはまだ世界的にも無名でしたから。だから安く来てくれたんですけど、彼は子どもみたいに純粋な人で、僕が銀座のクラブに連れて行ったんですよ。そこでもいろいろなものを曲げて、みんなにギャーギャー言われてたんですけど、4丁目の時計台があるじゃないですか。あの角に立って、「おーい、おれは今、世界の銀座に立ってるぞー!」と大きな声で両手を広げて叫んでましたよ。

澤本:ただの酔っ払いですね(笑)。

矢追:いや、彼飲まないから一切。

澤本:あ、そうなんですか。本当にいい気持ちだったんだ、普通に。

矢追:それもちゃんと大声で言うというね。天真爛漫なところがあって、いい奴ですよ。

後編に続きます>

構成・文 廣田喜昭

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