マーケターとクリエイター必見の新コラム“「CMを科学する」と見えてくるもの”が4月6日(水)よりスタート。

宣伝会議から発売する『CMを科学する』の著者で、デジタルインテリジェンス代表取締役の横山隆治氏による、新たな「宣伝部の変革」をテーマにしたコラム。ネット黎明期からデジタルマーケティングの理論化・体系化に取り組み、ビジネスとして実践してきた氏が、リアル、マスをデジタルと融合した真のデジタルマーケティングのあり方について語ります。

前回のコラム「宣伝部の変革と復権-次世代マーケティング部への機能再編-」はこちら

横山隆治さんのコメント

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宣伝部の変革と復権-次世代マーケティング部への機能再編-のコラム以来、久々にアドタイに連載します。今回は『CMを科学する』という本を宣伝会議から出版するにあたり、この本の骨子に沿って、新たな「宣伝部の変革」というテーマを提示していこうと思います。しかし話は宣伝部の領域に留まらなくなり、新たなビジネスを予感させるものに向かっていきます。

まず、『CMを科学する』テクノロジーを追っていくと、その先にあるのは単にCMという広告クリエイティブの世界や、もっと言うとマーケティングの世界にも留まらない「未来の大きな広がりを思考する」ことになります。たとえば、本で取り上げているセンサーの技術(赤外線センサーやデプスセンサー)、PCやスマホ搭載のカメラで生体認証技術や、人の行動・感情データをプログラマティックに取得する技術が、その可能性と期待値を大きく広げているわけです。今では人間の持つ最高のコミュニケーションデバイスである「顔」と、そのスクリーンである「表情」を機械が読み取れるようになりました。そこにIoT、ビッグデータ、人工知能が絡んでくることで、「未来ビジネス」が広がっていく予兆を感じさせるものとなりました。

そういう「未来ビジネス」への期待も胸が膨らみますが、まずは、今現在1兆8000億円にもなるテレビ広告市場に、こうしたテクノロジーを導入して最適化することのほうが先決です。このテレビ広告費は直接的には広告主が払っていますが、間接的に消費者が払っているのです。この効果・効率をより良くすることは、消費者に良い商品やサービスをより安く供給することにつながります。

今回の書籍『CMを科学する』では、「視聴質」という概念を提起しています。ずいぶん前に、広告主協会(現・日本アドバタイザーズ協会)が、この「視聴質」を測定せよとのメッセージを発信したことがあります。ただ当時は、その定義も測定方法もない状況でしたので、その要望に応えることができなかったわけです。しかし今のテレビ視聴データの測定技術は、この「視聴質」の測定を現実のものにしつつあります。

テレビCMの到達実態は以前よりずっと詳細に、把握できるようになっています。しかもそれらはほぼリアルタイムで(例えばデイリーで)ターゲットの到達実態がわかるようになっています。さらに、録画再生によって到達しているCM視聴が、番組によってはリアルタイム視聴時よりも多い場合もあり、単に「録画再生視聴の際には、CMはスキップされているもの」と切り捨てて解釈することがまったくできない状況なのです。

この本のサブタイトルは『「視聴質」によって知るCMの本当の効果とデジタルの組み合わせ方』です。本当の到達実態はもちろん、視聴質測定についても言及します。さらに本書ではCMクリエイティブの数値化にも踏み込みます。コミュニケーションにおいては、クリエイティブが最大の変数だからです。そして、データを味方につけるクリエイターこそが良いクリエイターとなることを示唆しています。データを使うということは、クリエイターが良いジャンプをして、しっかり跳び箱(目標)を飛べるように、ロイター板を正確な方向と位置に設置することと定義することができます。

また、クリエイティブをデータ化するということは、従来「経験と勘」に左右されていたものを科学的に立証することでもあるのです。このコラムでは、『CMを科学する』の論旨のポイントを明示しつつ、さらに掘り下げた話をしたいと思います。ぜひ4月15日発売の『CMを科学する』をお読みいただきたい。そのうえでこのコラムを併読いただけると、さらなるご理解を深めていただけるものと思っております。

デジタルインテリジェンス 横山隆治

横山 隆治(デジタルインテリジェンス 代表取締役)
横山 隆治(デジタルインテリジェンス 代表取締役)

1982年 青山学院大学文学部英米文学科卒。同年株式会社旭通信社入社。
1996年 デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社を起案設立。
代表取締役副社長に就任。2001年同社上場。
2008年 株式会社ADKインタラクティブ設立。同社代表取締役社長に就任。
2011年 株式会社デジタルインテリジェンス代表取締役に就任。

ネット広告黎明期からビジネスの実践とデジタルマーケティングの理論化・体系化に取り組む。

宣伝会議より『CMを科学する』(2016年4月15日発売)を刊行。

ほか著書に
『広告ビジネス次の10年』(翔泳社)
『新世代デジタルマーケティング ネットと全チャネルをつなぐ統合型データ活用のすすめ』(インプレス)などがある。

横山 隆治(デジタルインテリジェンス 代表取締役)

1982年 青山学院大学文学部英米文学科卒。同年株式会社旭通信社入社。
1996年 デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社を起案設立。
代表取締役副社長に就任。2001年同社上場。
2008年 株式会社ADKインタラクティブ設立。同社代表取締役社長に就任。
2011年 株式会社デジタルインテリジェンス代表取締役に就任。

ネット広告黎明期からビジネスの実践とデジタルマーケティングの理論化・体系化に取り組む。

宣伝会議より『CMを科学する』(2016年4月15日発売)を刊行。

ほか著書に
『広告ビジネス次の10年』(翔泳社)
『新世代デジタルマーケティング ネットと全チャネルをつなぐ統合型データ活用のすすめ』(インプレス)などがある。

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